今年、自転車の盗難が増えています。
北海道警察本部によると、自転車の盗難はコロナ禍もあり減少傾向でしたが、去年は急激に増加。
さらに今年は5月までの盗難件数が、去年と比べ1.6倍にもなっています。
前編の記事では、警察に聞いたキホンの対策2選をお伝えしましたが、この記事では、被害が増えている理由と、さらに安全性を高めるための一工夫「アースロック」についてご紹介します。
なぜ、自転車の盗難が増えているのでしょうか?
ひとつは、新型コロナウイルスの行動制限がなくなり、人の動きが回復したことが考えられます。
そしてもうひとつ考えられる要因が、自転車の価格です。
札幌市中央区にある自転車店では、この2年ほどの自転車の価格について「変速機や駆動関係の部品が値上がりしたのと、タイヤが値上がりした。ゴムの値上がりに比例して、1万円から2万円値上がりした」と、その変化を語ります。
円安や、ロシアのウクライナ侵攻などで、材料となる金属やゴムの価格が上がり、自転車の価格が高くなっていることが、盗難が増えた要因との見方もあります。
またこのお店の客の中では、鍵をしっかりかけていても盗まれたケースがあったといい、担当者も驚いたといいます。
実は、警視庁のデータによりますと、おととし東京都内で起きた自転車盗難のうち、4割以上が鍵をしていても被害にあっているんです。
取材した自転車店では、対策として2つのポイントをあげていました。
①自転車に元々ついている鍵のほかに、ワイヤータイプの鍵をつける
②ワイヤータイプの鍵は、固定されたものにつなぐ
特に、ワイヤータイプの鍵を2つつなぎ合わせて使うと前後の車輪を一緒に固定することもできて、より安全だといいます。
原材料の高騰で、自転車の価格も高くなっている今、盗まれないためにしっかりロックしてほしいということで、スタジオでHBCの堀啓知(ほり・よしとも)アナウンサーが実践してみました。
このように前輪と柵をロックするだけだと、前輪を外されてフレーム本体を持っていかれてしまうこともあるそうです。
また、ワイヤーを切る大きなハサミのような器具があって、低い位置だと地面と挟むようにして力を入れやすくなるため、地面に近い位置でロックするのも避けた方がよいということでした。
ですので、可能なら、タイヤとフレームを一緒に、なるべく高い位置で留めるのがポイント。こうした固定物につなぐ方法を「地球ロック」「アースロック」とも呼びます。
地球とつなぐ、地球に固定するということですね。
外出先では鍵をかけても「家ではいいだろう」と思う人も多いかもしれませんが、実はこんなデータもあるんです。
おととし、東京で発生した自転車盗難のデータによると、盗難に遭った自転車の5割ほどは、住宅の敷地内で狙われているんです。
「家の敷地内だから」「ちょっとの間だから」と油断せず、しっかり鍵をかけることが大切です。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年7月6日)の情報に基づきます。
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