2023.07.19
暮らす未知の分野にチャレンジしたい、収入をアップさせたい――。
長く安定して稼げるように手に職をつけたい、体調に合わせて無理なく働きたい――。
新連載『ITで、もっと私らしく』では、それぞれの“私らしい暮らし”を実現するための、ひとつの選択肢として 「IT」業界の可能性に注目。札幌のIT業界で働く人々の取材を通し、多様なロールモデルを探っていきます。
第1回目にご登場いただくのは、企画立案者の一人でもある亀田真央さん(35歳)。一般財団法人 さっぽろ産業振興財団(※)でIT部門を担当している亀田さんに、ご自身のこれまでのキャリアや、今回の企画に込めた想いをお聞きします。
コロナの影響で失業したり減収で苦しんでいる方、育児や介護、体調等の問題で就労に制約がある方、将来に不安を抱える方やキャリアアップを望む方に、「それならITはどうですか?」というメッセージを伝えたいと思ったんです。
実は私自身、現職についたのは昨年で、それまでは別業界で働いていました。
前の職場も好きな仕事で楽しかったのですが、コロナの影響で正規雇用なのに働く日数が急激に減ってしまって。
その際、急に将来が不安になりました。手に職をつけたいと思い、頭に浮かんだのがITの分野でした。
もともとデザインをしたり、動画を編集したり、パソコンを使うのは好きだったので、スキルを身につけることで将来も安定して仕事が得られそうと思ったんです。
結果的に、私自身がITのエンジニアになるのではなく、ITツールの導入などエンジニアさんのサポートを必要としている企業とエンジニアさんをつなぐお仕事に就いたのですが、その中で改めてIT業界で働くことの可能性を近くで感じました。
同時に、より多くの方にその魅力を知ってもらい、エンジニアを目指す人が増えてほしいとも考えました。
大きな視点で言えば、北海道のIT産業における人手不足を解消し、活性化に貢献したいというのも理由です。
現在、北海道のIT企業の約8割が「人材の確保・育成」を経営課題としてあげ、6割以上が「従業者数の増加を想定」しています(参考:一般社団法人 北海道IT推進協会の調査『北海道ITレポート2022』)。
社会のあちこちでデジタル化が進むとともに、IT産業は年々拡大していて、さらに拡大しようと新たな人材確保・育成に積極的なんです。
今回の連載を通し、働き方に不安を感じている女性にも、IT業界で働くことのメリットを知っていただきたいですね。
IT業界では、女性従業員の割合は25.1%で、男性に比べると少数派。職業訓練校のITコースの利用率も女性割合は少ない状況です。でも裏返すと、伸び代があると捉えることができて、人材が余り気味で非正規雇用の女性が多い他分野からのキャリアチェンジが期待されています。(参考:一般社団法人 北海道IT推進協会『北海道ITレポート2022』、内閣府男女共同参画会議『女性デジタル人材育成プラン』)
女性に限った話ではないですが、先にもお伝えしたように、成長している業界なので、人材ニーズが高く入っていきやすいですし、給与水準も高めです。
また、勤務場所の制約が少ない業界なので、例えば「自分自身もしくは子どもや家族が急に体調が悪くなった時に当日でも自宅でリモートワークに」といったこともしやすいですし、実現している企業もあると聞きます。
そのほかにも、時短勤務やフレックス勤務など、ライフステージや生活スタイルに合わせた柔軟な働き方の導入に業界として積極的です。女性の場合は、生理痛や妊娠中の体の変化など、体調に不安を感じる方も多いと思うので、柔軟な働き方ができる環境だと嬉しいですよね。
では実際のところ、IT業界で働く人たちは、どんな仕事をして、どんなふうに働いているの?というところは、読者のみなさんが気になるポイントだと思います。
次回以降、IT業界で働いている女性のみなさんに、メリットもデメリットも含めて、詳しい話を聞いていこうと思います。私が語るよりもずっと説得力があると思いますので……!
「IT業界」といっても、職種はさまざま。
プログラミングのスキルが全員に求められるわけではありません。特に今は、ITをビジネスに活用できる人材も求められているんですよ!
DX(デジタルトランスフォーメーション)って、耳にしたことがある人も多いと思います。
よく私たちが言っているのは、デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや組織の変革をして、自社の競争力を高める。
こう表現すると難しそうですが、ITツールを導入して業務改善をすることなど、目的を実現するためのひとつの手段なんです。
身近な例では、スケジュール共有ツールの導入、資料のペーパーレス化、テレワーク環境の整備、業績のデータ分析などが挙げられます。生産性の向上など多くのメリットが期待でき、DX推進はあらゆる企業にとって重要なテーマになっているのですが、ITに強い人材がいないために変革が進まないという企業が結構あるんです。
その変革を担うのは、社長や経営者じゃなくても良いわけです。経営者がリードしてほしいという気持ちもあるんですが、必ずしも経営者全員がITに強いわけではない。そこで、企業にとっても多様な人材がDXを推進することで、みんなが働きやすい環境づくりにつながる、ひいては社員の満足度アップが業績アップにつながると期待できます。
企業にはぜひ前向きに検討していただきたいです。
次回の記事では、「多様な人々が働きやすい社会をつくりたい」という想いを胸に、DXアドバイザーとして活躍している方にご登場いただきます。
プログラミング以外でITに関わる道があるということ、そしてインタビュー対象者さんの想いを通して、ITが持つ可能性の大きさを知っていただければと考えています。「エンジニアになる予定はないけど、ITに興味はある」という方にもぜひ注目していただきたいですね。
※一般財団法人 さっぽろ産業振興財団
札幌で事業を行う企業・個人のさまざまな「したい」を「できる」に近づけるために、さまざまな支援施策を札幌市と連携しながら企画・運営している。「セミナー・インキュベーション」「食・ものづくり」「クリエイティブ(コンテンツ・デザイン等)」「創業・融資・経営相談」「IT」「海外展開支援」の6つの部門があり、亀田さんが所属する「IT」部門では、札幌市内のIT事業者向けの支援や、IT人材育成に関わる支援、補助金やビジネスマッチング、伴走支援などの札幌市内の中小企業向けの支援を行なっている。
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共同企画:一般財団法人さっぽろ産業振興財団
文: にの瀬
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
取材日:2023年6月