カンボジア支援や、環境に優しいせっけん作りに取り組む「NPO法人はちどりプロジェクト」理事長の宮手恵さんが、室蘭市中央町のはちどり石蔵に17日、ラボを併設した販売店「HACHIDORI(はちどり)室蘭石鹸」をオープンした。宮手さんは「環境にも人の肌にも優しいせっけんを届けたい」と熱意を燃やしている。
大町商店街の津田額縁店に隣接した築約100年の石蔵を、昨年1年かけてリフォーム。工事費用は、昨年クラウドファンディングで集めた寄付金約250万円で賄った。
販売スペースは、ショールームのような清潔感あふれるおしゃれな空間に仕上げた。併設したラボには大きな窓を付け、製造過程を見ることができる。店内には写真撮影スポットを2カ所設けた。
もともとは就労支援のためカンボジアでのせっけん製造販売の拡充を考えていたが、コロナ禍の影響で拠点場所を国内に変更することに。宮手さんは同法人の東京事務所のある神奈川県から昨年4月、十数年ぶりに故郷・室蘭にUターン。開店準備に取り組んできた。
せっけんは全5種類。「室蘭を代表する土産物にしたい」と、室蘭の観光名所をせっけん名に取り入れた。青いマーブル模様が美しい「霧のまち室蘭」、落ち着いたえんじ色の「みたらの夕日」、青と緑色がアクセントの「地球岬」など。このほか、内村牧場(崎守町)の牛乳を配合したタイプと、肌の保湿効果の高いカレンデュラの花を配合したタイプがある。
成分はオリーブオイル、ひまし油、パーム油など植物性オイルが中心。防腐剤を入れず、無添加の自然成分で、子どもや肌の弱い人も安心して使用できる。過熱によりグリセリンを破壊しないよう、コールドプロセス製法で30日間かけて、丁寧に手作りする。
保湿効果が高く洗い上がりも肌が突っ張らない。宮手さんは「髪も肌も、全身このせっけん一つで洗える」と太鼓判を押す。
1個70グラム。値段はカレンデュラ配合タイプのみ税込み2420円で、ほかは同1210円。保存期間は1年ほど。
自然由来の成分にこだわったのは、排水されても微生物が自然分解して、海洋が汚染されないよう環境に配慮したため。「水は海につながっている」をコンセプトに、店内にも自然資源保護への意識を高めるようなコーナーを設ける。宮手さんは「買うだけでなく、学びや気づきを促すような場所にしたい」と展望している。
営業日は不定期。今月は30日午後1~8時。車で来る場合は、大町商店街の駐車場を利用するとよい。問い合わせは宮手さん、携帯電話080・3262・0750へ。