2023.06.14
育む家族の間でも、「ありがとう」を大切に―。頭ではそうわかっていても、うまく言葉にできない人が多い中、「妻への感謝」を毎日ブログに綴り続ける男がいた!
北海道を中心に活動するHAMBURGER BOYSのギタリストで、「今日ドキッ」コメンテーターや、ラジオパーソナリティも務める田村次郎さん。妻と2人の娘を愛する、パパでもあります。
WEBマガジン「Sitakke」では、次郎さんの目線から子どもとの日常を描く4コマ漫画がスタート。
家庭では“できないパパ”を自称しながらも、妻や子どもと幸せな日々を過ごすために、心がけていることがあるという次郎さん。その心がけとは一体なんなのか?お話を聞きました。
―次郎さん、きょうはよろしくお願いします!取材前に、次郎さんのブログを拝見したんですが、とってもユニークですよね。「妻への感謝」をひたすら綴っているブログって、初めて見ました(笑)。
見つけちゃいましたか(笑)。もともとは、別のブログをやっていたんです。そこでは「雨だった。今日は番組の収録。帰って子どもとお風呂に入った」という感じで、毎日の出来事をただ綴っていただけでした。
でも、ある日、ふと気付いたんです。自分のことは書いていても、妻が僕にしてくれたことは、日記に全然残せてないなって。
そこで始めたのが、この「YOME YOME BLOG」です。「嫁が子どもたちのご飯の支度をしてくれた。登校・登園に付き合ってくれた」など、妻への感謝を書いて、最後に「今日も一日ありがとう」で締めるブログです。すごくシンプルでしょ(笑)。
僕としては、妻が日々してくれていることを見つめ直すことができたし、自分がそのおかげで快適に働けているんだなと実感するきっかけになりました。将来、子どもたちが見た時に喜んでくれたらいいなとも思っています。
ブログを続ける中で、意外な発見もありました。仕事中、たまたま、北海道大学COI &NEXT(※)の担当者さんと雑談していたときのこと。「最近、妻の感謝日記を始めたんですよ」と話したら、「ちょうど今、感謝日記の研究をしている」と言われて。
担当者さんによると、一日を振り返ってうれしかったことを書くと自分自身もハッピーな気持ちに繋がり、また、他者への感謝をすることは、人生をより豊かにする効果があるんだそうです。
そんな効果にも期待しつつ、いまも綴り続けています。妻には言っていないので、本人が見ているかどうかはわかりませんが(笑)。僕の周りでも「YOME YOME BLOG」を始めてくれる人もいて、このブログをやってみてよかったなと思いますね。
―ご自身の公式プロフィールもユニークですよね。「YOMEを愛し続けることを誓うYOME YOME CLUBの代表」とありますが、「YOME YOME CLUB」って、一言でいうとなんですか?
YOME YOME CLUBは、「パートナーのことが大好き」という気持ちをみんなで語り合うだけのシンプルな活動です。きっかけとなったのは、6年前に長女が誕生したことですね。初めての育児に奮闘する妻が、すごくしんどそうだったんです。当時、僕はタレント活動のかたわらバーを経営していました。夜、帰宅してから娘のお世話を交代していたのですが、お互いに同じ寝不足でも、ストレスの質がぜんぜん違うなと感じたんです。
妻はずっと家の中で子どもと二人の生活なのに対し、僕はお店で人と会ってコミュニケーションをとることでストレス発散ができているなと。そこでまずは外にいる間も、妻を愛する気持ちや感謝を忘れないという想いから、「YOME YOME CLUB」のロゴを入れたTシャツやパーカーを作って、着ることにしたんです。
すると「そのTシャツ着たい」「旦那に着せたい」という声が、友達やバンドのお客さんからチラホラ上がってきて。ああ、家の外でもパートナーへの想いを常に持っていたい、持っていてほしい人は多いんだなと感じました。
パートナーへの感謝を大切に、そして自分ができることはないかという気持ちを持つことって、大事なんじゃないかと思いました。自分にできること・やれることをやっていくことが、子育ての形の一つになるのではないか。まずはそう意識することで何かが変わっていくかもしれないなと感じたんです。
年子なので次女が生まれてからは、もっとそばで妻を支えたくて、バーの仕事は辞めて昼の仕事にシフトしました。そんなとき、北海道大学COI &NEXTとエミプラスラボ合同会社の担当者さんがこの活動を面白いと言ってくださって、ラジオ番組「YOME YOME CLUB」をスタートすることになったんです。
現在も、毎週土曜日11時半からOAしているこの番組では、パートナーが幸せになる日常づくりを提案しています。番組のほか、パパやプレパパを集めて、パートナーに対して自分ができることをみんなで考える会合を開いたりもしています。
―「パートナーが大好き」という想いを発信するという、シンプルな活動だからこそ、多くの人の共感を生んでいるのかもしれませんね。今回、Sitakkeでも、家族との日常を綴った4コマ「パパはギタリスト」がスタートします。脱力感のあるイラストが魅力ですが、もともと絵を描くのが好きだったんですか?
実は、小学校の時は漫画家になろうと思って、漫画部に入っていました。漫画はいつからか描かなくなったんですけど、絵に味があるとは言われていて(笑)。
「パパはギタリスト」はもともと、長女が生まれたときにTwitterに投稿していたのがきっかけです。指で絵が描けるiphoneアプリを使ったイラストを、4コマ漫画にしてツイートしていたんです。今回、縁あって、Sitakkeさんにもお声がけいただき、連載することになりました!
ー漫画では、お子さんたちとの掛け合いに思わずほっこりしてしまうエピソードが描かれてますよね。
何気ない日常でも、子どもと関わっていると「これ、ネタじゃないの?(笑)」ということが起こるんです。それをメモしておいて4コマ漫画にしたら、将来、子どもたちが見返すのも楽しいんじゃないかなと。今はまだ子どもたちに見せてはいませんが、妻はとても喜んでくれています。
― 漫画を通して、読者に伝えたいことはありますか?
パパが「ミュージシャン」と聞くと、一般的な家庭ではないように感じるかもしれませんが、子育て中の日常って本当にどこも同じようなことが起こっていると思うので、共感してくれたらうれしいです。
以前、YOME YOME CLUBの集まりで「仕事を終えて家に帰った後、パパにできることは何か」というテーマで、パパたちと話し合ったことがありました。
パパたちの声として多かったのは「妻の家事のルールを把握できていないから、どう手伝ったらいいかわからない」ということ。みんな共感し合ってましたね。
当時、実は僕も、なにか手伝えることはないかと妻に聞いてみたところ「いや別に何もない」と言われてしまって(笑)。
それでも、やれることはないか、何かあるはずだと妻に粘って聞いてみたんです。
そうしたら、「子どもの寝かしつけでそのまま寝てしまって、翌朝、準備をする時に包丁やまな板がシンクの中にあるのが一番テンション下がるんだよね。それだけでも洗ってくれると、とても助かる」と教えてくれたんです。
こんなふうに、まずは一つ、ルーティーンを決めればパパも動きやすいですし、夫婦のコミュニケーションのきっかけになりますよね。
今まで子育てを経験された方、現役で子育て中の方、これから子育てをする方、それぞれ共感できる部分も変わってくるかと思いますが、「パパはギタリスト」の漫画では「今、うちはこんな感じで子育てしてます!」というのが少しでも伝われば良いなと思いますね。
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Sitakkeの連載「パパはギタリスト」は毎週水曜日21時に更新。
パパ目線で描かれる妻や子どもたちとの日常をぜひご覧ください。
→【新連載】パパと娘のほっこり日常漫画♡HAMBURGER BOYS 田村次郎が描く「パパはギタリスト」
北海道大学COI &NEXT(※)
「北海道大学COI &NEXT」は、北海道大学に拠点を持つ「誰もが自分らしく幸せに生きられる社会の実現」を目指し、大学、企業、地域の自治体が一緒になってイノベーションを起こしていく共創プロジェクト。
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