2023.05.30

暮らす

「台風2号」が猛烈な勢力に!ことしの傾向を気象予報士が解説

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

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まだ5月なのに猛烈な勢力にまで発達した「台風2号」がニュースになっています。この記事では、今後の台風の動向や、今年の台風の傾向をお伝えします。(5月30日午前11時の情報に基づきます)

この夏の台風の傾向は?台風だけでなく前線にも注意!

5月としては異例に発達し、日本に近づいている台風2号。動きも遅く、今後の進路が注目されます。台風2号は発生してから、海水温の高い地域を進んできたため、暖かい海から台風のパワーの源となる水蒸気の供給をたっぷり受け、この時期としては珍しいくらいに発達しました。

猛烈な勢力の台風2号

この時期の台風は、赤道の少し北で発生し、そのままフィリピン方面へ向かうことが多くなります。

台風2号も、東海上から日本付近へ張り出す高気圧の周りを回ってフィリピン方面へ進んでいましたが、今週は高気圧の勢力が弱まって、東へ退くため、進路を北に変え、日本付近まで北上するおそれが出てきました。

また、台風の北にある梅雨前線の影響も受けそうです。気象庁はきのう29日、九州北部と四国、中国、近畿、東海の5つの地方で、本日30日は九州南部で「梅雨入りしたとみられる」と発表しました。近畿地方と東海地方の梅雨入りが5月となるのは、2013年以来10年ぶりです。
本州方面などでは、台風が近づく前から梅雨前線の活動が活発になり、大雨になる可能性があります。
北海道でも、梅雨前線の北上に伴い、今週末は曇りや雨とぐずついた天気になりそうです。運動会シーズンで天気も気になる週末ですが、今後も最新の台風情報や気象情報をこまめに確認するようにして下さい。

台風の年間発生数の平年は25.1個です。今年の台風の発生数や、台風のコースなどは予測できませんが、一つ気になる傾向があります。
それは、夏の高気圧ともいわれる「太平洋高気圧」の日本への張り出しが弱いということです。

フィリピンや西太平洋で台風の卵にもなる積乱雲の発生が平年より多いと予想されています。例年ならそこからの暖かく湿った空気を太平洋高気圧がブロックしてくれますが、高気圧の張り出しが弱いため、暖かく湿った空気がダイレクトに日本や北海道付近に流れ込む可能性があるのです。

太平洋高気圧と積乱雲のイメージ

ちなみに、2016年も同じような気圧配置で、過去最多となる5個の台風が北海道に接近または上陸して甚大な被害が出ました。
今年も同じことが起こるとは言えません。気象庁が発表した最新の長期予報(6~8月の3か月予報)でも、北海道の降水量はほぼ平年並みの予想です。ただ、もしもの時のために、日ごろから防災用品の準備をしておきましょう。

なお、この記事は2023年5月30日午前11時の情報に基づいて作成しています。
最新の台風情報は、HBCのホームぺージなどでご確認ください。

<PROFILE>

文・イラスト: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃

HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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