雑誌で古い地図から歴史をひも解くコーナーも連載している街歩き研究家の和田哲さんと北海道の地域の歴史の痕跡を訪ね歩くコーナー。
今回はサッポロファクトリー開業30年ということで、かつての札幌通りを歩きます。
明治9年。開拓使によって、いまのサッポロファクトリーの場所にビール醸造所「開拓使麦酒醸造所」が建てられました。
始めは木造でしたが、その後増築などされ、明治25年に近代的なレンガ造りの工場が完成したのです。
サッポロファクトリーの煙突広場では、大きな煙突とレンガ造りの風格ある建物を眺める事ができます。(※現在レンガ館は閉館中)
工場も面していた北3条通は、かつて“札幌通”と呼ばれた主要道路で、昭和48年までは“市電”も走っていました。
開拓使(赤れんが庁舎)を起点とし、沿線にビール工場など工業地帯を形成。
平成に入り、ビールの工場移転が決まると、明治からある建物を生かした“再開発事業”がスタート。
今から30年前に、工場跡地に開業したのが、サッポロファクトリーだったのです。
サッポロファクトリーから北3条通を東に向かうと新しいマンションや建物の中に開拓使時代からの歴史を伝える建物があります。
住所:中央区北2東6
電話:011-232-0450
開館時間:午前9時~午後10時
定休日:毎月第2水曜
明治時代の邸宅と、その後増築された昭和の洋館が1つになっていて、無料で見学ができる施設です。
邸宅は屯田兵の父とも呼ばれ、道庁の長官も務めた“永山武四郎”が住んでいた屋敷。
絨毯の洋間のとなりが“畳の和室”という『和洋折衷』が特徴になっています。
隣は、旧三菱鉱業の社員寮の建物。
昭和モダンが特徴の洋館で、中でつながっています。
平成30年に新たな歴史観光スポットとして整備され、昭和モダンなカフェも併設されました。
電話:011-215-1559
営業時間:午前11時~午後8時
定休日:毎月第2水曜
昭和モダンなカフェ“ナガヤマレスト”のオススメメニューがフルーツサンド。
でも、他とはちょっと違います…。
生クリームには白あんが混ぜ込まれているのです。
メニューも和洋折衷で“生クリーム”と“白あん”の相性は抜群!
あんクリームサンドには全てに白あんホイップとわらび餅が入っていて、食べ応えもありますよ。
“札幌通”と呼ばれ、工業地帯も広がっていた北3条通沿いに建つ、どこか“アメリカン”な雰囲気も醸し出している“岩佐ビル”。
元は何の建物だったのでしょうか…?
1階にあるスイーツ店で話を聞きました。
住所:中央区北3東5 岩佐ビル1階
電話:011-219-0900
営業時間:午前10時~午後8時
※日曜は午後7時まで
本場のアメリカの雰囲気を味わえるお店で並んでいるスイーツ、店内どこを見てもアメリカン。
窓からはサッポロファクトリーを眺めることができるので、ニューヨークにいるかのような気分が味わえます。
パイはもちろんアメリカンサイズ!
ピーナッツバターのお菓子はアメリカのおばあちゃんの味と言われており、来店するアメリカの方は気に入って食べるそうです。
本場アメリカの雰囲気を作り出しているのが、高さ約4メートルの天井!
なぜ、こんなに高いのでしょうか…
レトロモダンな「岩佐ビル」。
建築当初は、ラムネ工場として建てられたこともあり、天井が高くなっているのです。
夕暮れ時、空中歩廊から赤レンガ庁舎の方を眺めているとアメリカの街角を感じがし、「Jazzが流れてきそうな雰囲気」と話します。
異国情緒も味わえる、北3条通界隈。
買い物や映画の後などに散歩してみてはいかがでしょうか?
※掲載の内容は番組放送時(2023年3月23日)の情報に基づきます。
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