ジョージア特命全権大使のティムラズ・レジャバ氏(34)が25日、池田町を訪れ、いけだワイン城を見学した。ワイン発祥の地ともされるジョージアと、今年でワイン醸造60年を迎える池田町が交流を深めた。
レジャバ氏は、札幌市内で開かれた「伝統的酒造りシンポジウムin北海道」(札幌国税局主催、23、24日)に参加するため来道した。素焼きのかめを使ったジョージアのワイン造り「クヴェヴリワイン」は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されている。シンポジウムでは、レジャバ氏、安井美裕池田町長らによる「ジョージア・クヴェヴリワインと北海道産ワインの歴史と未来」と題したトークセッションも行われた。
今回の池田来訪はレジャバ氏側からの希望で実現。25日夕に東京へ帰るまでの数時間、町を訪れ、安井町長らによるワイン城の案内、十勝ワイン数種の試飲、いけだ牛などのコース料理を堪能した。レジャバ氏は試飲したワインの一つ「ジュエルオブトカチ2020」について「池田の信念が伝わるワイン。素材、ワインを愛する気持ちが伝わった」と評した。
町は、グルジア共和国(現ジョージア)のワイン造りを1980年代に視察。ブドウをかめに入れて土の中で発酵させる、グルジアの伝統的な製造法「クヴェヴリ」を町ブドウ・ブドウ酒研究所で2000年に再現させ、以降少量ながらも醸造している。かめは町の高齢者が作った陶器「いきがい焼き」のもので代用してきた。
ワイン城では、04年にグルジアから寄贈された素焼きの大きなかめを展示している。レジャバ氏は展示品を見学し「池田がつくってきたジョージアとの絆に感謝」と語った。安井町長は「いろいろな意味でジョージアのワイン文化の影響を受けており、貴重な経験となった。池田もジョージアに負けない歴史を刻みたい」と話していた。