「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
寒さの和らぐ日が増えてきて、先月2月28日は記録的な暖かさになりました。
今回は、2023年の春の傾向や最新のサクラ開花予想を、「春が待ち遠しい…」という気持ちを表す言葉と共に紹介します。
真冬の間は強い寒気が居座り、寒さと大雪が1週間程度続くことがありました。ただ、ここ数日(3月3日現在)は、天気も気温も大きく変化するようになり、連日のように雪が降る日本海側でも、青空の見られる日が増えてきました。
2月28日は強い南風と日ざしの影響で記録的な高温になり、札幌や千歳、北見を含む道内31地点で2月の観測史上一番高い気温を更新しました。
2月4日に立春を迎え、暦の上ではすでに「春」です。本格的な春が待ち遠しいという気持ちから作られたのか、段階的に春がやってくることを表す「3つの春」という言葉があります。
まずはじめは、「光の春」です。日に日に昼間が長くなり、日ざしの力強さも感じられるようになってきます。まさに今の時期、晴れると「光の春」が感じられます。
次は、「音の春」です。札幌など2月下旬が平年の積雪(雪深さ)のピークで、これからどんどん積雪は減っていきます。気温のデータを見ても、札幌では2月13日に最高気温の平年がプラスになり、日中はプラスの気温になることが当たり前になります。屋根からポタポタとしたたる水、雪どけで増水し流れが速くなった川など、春の訪れが音として聞こえるようになります。
そして最後は、「気温の春」です。これは実際に気温が上がって、服装も春らしくなっていくことです。雪もすっかりなくなり、花の季節となります。
春の花といえばサクラ。3月9日、日本気象協会から最新のサクラ開花予想が発表されました。今年は北海道も含め、全国的に平年より早くなりそうです。札幌は4月26日、釧路は5月9日の予想です。本州では3月中旬に開花するので、旅行計画の参考にしてみてください。
最新の3か月予報でも気温は平年並みか高めの予想となっています。寒気の影響を受けにくく、春が足早にやってきそうです。一気に雪どけが進むため、落雪事故などにいつも以上に注意が必要です。
春は寒暖差が大きくなる季節です。日ごとの変化もそうですが、朝晩と日中の気温差も大きくなります。2月27日上川地方の旭川市江丹別では、朝の最低気温が-28.7度と厳しい冷え込みになりましたが、その10時間後にはプラス2.8度に達し、その差はなんと31.5度と大きくなりました。
服装選びにも迷うこの時季。予想気温にも注目して、毎日の天気予報をしっかりチェックして下さいね!
※2023年3月9日時点での情報です。
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文・イラスト:気象予報士 児玉晃
児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。