2023.02.24

出かける

【函館】港のまちの片隅に生まれた塩辛酒場。知られざる酒場めぐり「小田島水産 塩辛バル」

小田島水産 塩辛バル・弁天町

今年で創業109年目を迎えるいか塩辛製造の老舗『小田島水産』。昭和初期から変わらず杉の樽を使って熟成させる「木樽仕込」の製法でおなじみのこちら。実は昨年9月からひっそりと「工場併設酒場」の営業を開始し、耳の早い飲兵衛たちの話題の的となっている。

もともとここは直売スペースで、看板商品の木樽仕込の塩辛や塩辛アヒージョ等の加工品から一般市場には出回らない業務用の麹入り塩辛やゴロ入り塩辛などを販売。なにせ種類が多いため、訪れた客には塩辛の食べ比べを提供していた。その際に「酒がほしい」「白い飯が食べたい」と頻繁に言われるようになったため、老朽化した水道配管の工事の延長で飲食店営業に必要な手洗い場やシンク台等の設備を整え、営業許可を取得してここを酒場化した。

一枚杉のカウンター席は、近所の『平石造船所』から杉の木を無償で譲り受け、仕上げはこれまた近所にある船舶家具製作・住宅建築業『村山ギソー』が丁寧にカンナをかけて完成した。

塩辛バルという店名通り、品書きには10種の塩辛食べ比べのほかに、塩辛チャーハン、塩辛焼きそば、塩辛パエリア、塩辛じゃがバターのせ等、まさに塩辛料理のオンパレード。酒は道南の蔵元・箱館醸蔵の日本酒『郷宝』をはじめ、ビールやハイボールなど各種あり。開業してまだ数ヶ月だが、ブログやSNSでの投稿をきっかけに口コミが広がり、すでに近隣住民、函館どつくや海上保安庁の職員、海洋センターの学生、そして漁師たちが訪れるようになり、独自の酒場ムーブメントを生んでいる。

塩辛バル運営の先頭に立つのは営業部長の小田島章喜さん。訪れた客からの要望や意見を積極的に取り入れ、メニューや店内は日々更新。営業は朝8時半から夜7時半までで定休日はなし。

【小田島水産食品株式会社/塩辛バル】

函館市弁天町20-7
0138-22-4312

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