2023.02.24

出かける

【函館】心地良い音楽と時間が浮遊する場所。知られざる酒場めぐり「バー メテオレコーズ」

バー メテオレコーズ・本町

本町の市電・中央病院前電停そばで長年愛されたラーメン屋『りつ』。ここを営んでいた名物ママの住まいだった2F部分を店舗として改装し、一昨年の11月に静かにオープンしたバー。店主の須河正美さんはかつて気象庁に37年間勤務。予報官として千歳、寿都、倶知安、浦河、旭川、稚内などの勤務地を転々とし、ずっと天気予報に携わる仕事をしてきた人。最後の勤務地が函館だったこともあり、この街で退職後のセカンドステージとして兼ねてから思い描いていたバーの独立開業を実現させた。

JBLのスピーカーから流れる良質のサウンドが心地良い空間。10名ほど座れるカウンター席と、その背後にボックス席が2つある。団体利用は10名程度までは事前予約で受付OK。営業は20時〜翌3時。

空間を贅沢に使ったロングカウンターと棚半分を埋めるレコード、そしてターンテーブル2台とミキサーのDJセット。これを見てわかる通り、須河さんは10代から生粋の音楽好き。小遣いや給料の多くをレコードやCDに注ぎ込み、店内に保管しているレコードだけで約2000枚あり、これに加えて数百枚のCDが棚に並ぶ。十八番のジャンルは1960〜70年代のスイートソウルだが、その他ブラックミュージック全般や懐かしい邦楽がかかることもある。それらはすべて須河さんがDJセットからプレイし、どんなに忙しくてもスムースに曲をつないでいく。
「こんなスタイルでやってますが、別に音楽を聴きに来てねってスタンスじゃないんです。音楽に興味がなくても、落ち着いた場所で楽な気分で飲みたいってときに来てもらえれば嬉しいです」。

本町の電車通りを中央病院方面に歩いていくと左側の壁面上に出現する、店のトレードマークを刻んだ大きな看板が目印。路面からは様子をうかがえない秘密基地感も居心地のいい理由の一つ。

【BAR METEO RECORDS】

函館市本町33-5 2F
090-8637-9519

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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