本町の市電・中央病院前電停そばで長年愛されたラーメン屋『りつ』。ここを営んでいた名物ママの住まいだった2F部分を店舗として改装し、一昨年の11月に静かにオープンしたバー。店主の須河正美さんはかつて気象庁に37年間勤務。予報官として千歳、寿都、倶知安、浦河、旭川、稚内などの勤務地を転々とし、ずっと天気予報に携わる仕事をしてきた人。最後の勤務地が函館だったこともあり、この街で退職後のセカンドステージとして兼ねてから思い描いていたバーの独立開業を実現させた。
空間を贅沢に使ったロングカウンターと棚半分を埋めるレコード、そしてターンテーブル2台とミキサーのDJセット。これを見てわかる通り、須河さんは10代から生粋の音楽好き。小遣いや給料の多くをレコードやCDに注ぎ込み、店内に保管しているレコードだけで約2000枚あり、これに加えて数百枚のCDが棚に並ぶ。十八番のジャンルは1960〜70年代のスイートソウルだが、その他ブラックミュージック全般や懐かしい邦楽がかかることもある。それらはすべて須河さんがDJセットからプレイし、どんなに忙しくてもスムースに曲をつないでいく。
「こんなスタイルでやってますが、別に音楽を聴きに来てねってスタンスじゃないんです。音楽に興味がなくても、落ち着いた場所で楽な気分で飲みたいってときに来てもらえれば嬉しいです」。
函館市本町33-5 2F
090-8637-9519
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