スキー、スノーボードでもし接触事故が起きたらどうしよう？弁護士の見解を聞いてみた

読者から寄せられた身近な法律の質問に弁護士が回答する、「十勝の生活応援マガジンChai」の連載【Chai法律相談】より
シーズン真っ只中のウィンタースポーツにまつわる質問・回答をご紹介します。

【質問】
　先日、家族でスキー旅行に行きました。天気も良く最高のコンディションだったのですが、私の前方を滑っていたスノーボーダーが突然転倒したため、避けきれず接触してケガをさせる事故を起こしました。スピードを出し過ぎたり、急な方向転換をするなど、危険な滑り方はしていないつもりでした。このようなケースでも私の責任が大きいのでしょうか。

【回答】
　原則、上方から滑走してきた人の責任が大きいとされています。
　最高裁判所は「上方から滑降する人は前方と、下方を滑降している人の動静に注意し、その人と衝突を回避することができるよう速度、進路を選択して滑走すべき注意義務を負う」としています。従って、今回のケースでは、相談者の滑り方に問題がなかったとしても、前方にいたスノーボーダーが転倒することも想定して、十分に距離を確保する必要があったと考えられます。つまり、衝突を回避する注意義務を果たすことができなかったと言わざるを得ません。ただし、被害者側が急な方向転換をして転倒した場合や、起き上がって再び滑り出そうとした際に上方の確認を怠ったなど、事故状況によっては責任の割合にも変動が生じます。下方の人を絶対に優先するということではありません。

なお、子どもが加害者となってしまった場合には、子どもの年齢によっては保護者が監督義務責任を負う場合があります。事故には十分気を付けて、楽しくスキーシーズンを過ごしましょう。

今回の回答にご協力いただいたのは
［丸谷誠　弁護士］
事務所／まるや法律事務所
帯広市東１条南５－１６－１ラピスラズリ１・５Ａ
Ｔｅｌ：０１５５・６６・７８２４

※質問・回答はＣｈａｉ編集室の責任でまとめています。

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