2021.07.10

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残したい函館文化【十字街アーケード通り】

十字街アーケード通り

「せめて十字街の方はなくさないで」

2015(平成27)年夏、函館駅前・大門通りの象徴だったアーケードが全面撤去されたとき、そう思った人は多いと思う。あれから6年が経ち、末広町・十字街に残る古い商店街の一角に架けられたアーケードは、辛うじてその姿をとどめている。

1954(昭和29)年に一部で設置が開始された大門通りに遅れること5年後の1959(昭和34)年から、末広町の5・7・8番地を中心に、その区画を取り囲むように大規模なアーケードが設置された。
その頃、明治から昭和初期まで隆盛を誇った十字街は袞退しはじめ、この事業は商業地区としての再生をはかる一策でもあった。しかし時を重ねるごとに維持費がかさみ、さらに毎冬の大雪による損壊が重なり、徐々に撤去・縮小されていった。

わずか数十メートル規模となった現在の通りだが、ここにきて活発な動きが出てきた。今年4月以降、新鮮な魚介類と酒が売りの料理店や、電動バイクで西部地区をめぐるツアーを提供するショップが立て続けに開業。

(左)最新型の電動バイクで西部地区を巡る「函館まちたび」の楽しみを提供する『旅ショップmina』。函館市末広町7-8 えびすまち高田屋1F/(右)海鮮料理と酒の店『遊魚 はる』。函館市末広町8-13(毎週木・金・土・日のみ営業)

6月にはカフェスペースを併設したコーヒー豆専門店、7月にはスパイスカレー専門店のオープンを控えている。アーケードの老朽化は刻一刻と進んでいる。いつかはなくなる日がくるかもしれない。だが、決して今ではない。

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peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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