「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
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今年も残すところあとわずか。“今年の漢字”に選ばれた「戦」のように、2022年は極端な天気との戦いでした。天気模様とともに、この1年を振り返ります。
低気圧や強い寒気の影響で、局地的な大雪が頻発し、1月は苫小牧や江差など道南方面で観測史上一番の積雪を記録しました。札幌では8年ぶりに積雪が1メートルを超え、2月5日~6日にかけての24時間降雪量は60センチと、統計史上一番のドカ雪となりました。交通障害など市民生活にも大きな影響が出ました。
記録的な大雪から一転、春は高気圧に覆われる日が多くなりました。日ざしは多め、気温は高めの春で、雪どけは急ピッチに進みました。
北海道のサクラ前線は、4月21日に松前町と函館でスタートし、5月9日には根室でゴール。各地で記録的な早さになり、帯広と網走では統計史上最も早い開花でした。また、3月~5月の札幌の平均気温は8.9度で、1877年の統計開始以来、2015年と並んで1位タイの高温となりました。
前線が停滞し、梅雨のような天気で太平洋側は大雨。
6~8月の降水量は、函館や江差、浦河で、統計史上一番多くなりました。
6年ぶりに道内では35度以上の猛暑日はありませんでしたが、暖かい空気に覆われたため、気温は平年より高めとなりました。釧路の6~8月の平均気温は観測史上最も高くなり、7月31日には、観測史上最高となる33.5度を観測しました。
秋も気温の高い状態が続き、10月1日は北見市常呂で31.4度を観測しました。10月に道内で最高気温が30度以上の真夏日を観測するのは、史上初めてで記録的な暑さになりました。その後も季節の歩みはゆっくりで、平地での初雪の観測は、気象台や測候所のある8都市全てで11月にずれ込みました。
札幌の初雪は11月16日で、平年(11月1日)より半月も遅くなりました。スキー場は雪不足にヤキモキし、普段の生活でも早めに冬支度をしたのに、なかなか雪が降らないと感じた人もいたかもしれません。冬将軍は、いつもより長いお休みをとっていたようです。
12月に入ると一気に冬らしくなり、クリスマス頃の荒天で広い範囲でドカ雪になりましたが、年間を通してみても、気温は平年より高めでした。
大気中の温度が高いのは、地球温暖化が一つの要因です。気温が上がると、大雨や大雪など極端な天気が多くなると予想されます。天気との厳しい「戦い」を最小限にするために、日ごろから節電などを心がけ、温室効果ガスとなる二酸化炭素の排出量を減らしましょう。
来年も生活に役立つ天気予報を目標にお届けしていきます。
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文・イラスト:気象予報士 児玉晃
児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。
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