2022.12.17
深める北海道で暮らすみなさんと、一緒に作り上げるWEBマガジン「Sitakke」。人生の選択肢が多い時代だからこそ、日常の「モヤモヤ・悩み」に寄り添う情報を届けるべく、これまで約5,000本の記事を配信してきました
その中で、ことし特にアクセス数が多かった上位 10位の記事を「編集部ピックアップ」としてランキング形式でお届けします。
5位に引き続き、今回は、第4位にランクインした記事です。
***
は〜い皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。
今回は、喧嘩してしまった友達との関わり方について「本当はこうじゃなかったらいいのに……」と悩む投稿がなんと2通も、しかも世代を超えて来ています。見てみましょう。
あらら〜。どちらも、文章量の違いはあれど、なかなかどちらも真剣なテンション。2人とも、まずは投稿ありがとう!
いやぁ、しかしねぇ。なんというか、現在進行形で友達と揉めてる若きティーンズ、そして、揉めた過去があろうとも、ティーンズ時代からの友達のことが忘れられない、あたしと同世代のお方。
そんな2人から相談をもらったわけで、なんだか各々のストーリーに連続性を感じるというか、あたし個人の歴史にもどこかつなげて考えてしまうというか。「高校生の頃、同じ部活のあの子と大喧嘩したなぁ」とか「今疎遠になってしまったあいつって元気なのかな」とか、この2通それぞれからかつての自分の人間関係を思い出し、懐かしくてちょっとほろ苦い気持ちを味わっていました。
にしても友情って、本当にちょっとした、ともすればくだらないきっかけでさらっと崩れたりするのに、どうしてこと仲直りとなると恐ろしくハードルが高くなったりするのかしらね。「話したくても話せない……」って状況に陥っちゃったこと、あたし自身何度か経験があるし、その原因が自分の嘘やドタキャンだったことも(しかも当時は相手に対して「そんなに怒ることじゃなくね?!」とか逆ギレしたりしてた)、その状態が長引いて和解を切り出せなくなってしまったことも、やはり身に覚えがあります。
しかもさぁ、喧嘩にしろ仲直りにしろ、その一連のプロセスっていうか。これがまたあらゆる意味でパワー使うから、もう大変だったりするのよねぇ。特にこちらも譲れない!って場合だったり、相手との仲がとても深い場合だったりすると、とんでもないぶつかり稽古みたくなったりして、突拍子もない行動とか取ったりしちゃうし。
あたしも血気盛んで、感情を抑えられない時があったりしたので……。明け方のラーメン屋でラーメンぶちまけてんの気づかないくらい親友と大口論かましたり(「絶縁よ!」と罵り合いながら、もうひとりいた女装仲間の服をスープまみれにしたんだとか)、タクシーで立ち去る友人に追いすがろうとして、「ごめん!悪かったから!あたしが悪かったからァァア!」と謝罪の文言を叫びながら、昼間の狸小路周辺を疾走したり(多分市電より速度出てたと思う)。
振り返ると、大切な人との向き合い方、不器用でやけくそだったなぁと思うことばかり。やらかしてたし、体力も気力も無茶苦茶使ったなぁ……。とはいえ、あたしほどとんちんかんなやり方ではなくとも、誰しも誰かとの不和に直面したり、それをなんとかしたいと思い悩むときには(なんとかできるのか?って迷いの段階ももちろんあるでしょう)、それぞれが試行錯誤をし苦しむもの。
投稿してくれた2人は今そんな状況にいるのかしら、きっとしんどくもあるだろうにと、自分自身の様々なことを思い起こしながらその身を案じていたのでした。
さてさてここからは、この「仲直り」という話題について個人的に思うことを、相談者さんたちに向けて素直に書かせてもらおうと思います。まず、「話したくても話せない」という迷いだったり、「それぞれの道を歩んでいるのにいまさら」という恐れだったり。とってもリアルだし、その躊躇、よくわかります。
だからこそ言いたい。
そういう自分の感情は、感じてしまうならそれでもいい。ただ、そんな己の気持ちは一旦すみに置いといて、細かいことを考えず「ごめん!」と、突然でもかまわないから向こうに伝えてしまってはどうでしょう?誰かとの関係が悪化してしまったときは、喧嘩してしまった相手についてひとりでぐるぐる考えるよりも、その人とのつながりを再び作り出すための行動を何か起こしてみる。 これが、すっきりするための一番の近道のような気がするんです。
「そんな簡単に言わないでよ!!」と思うかもしれません。そりゃそうよね。だって、そうできてたら悩まねえよって話だもん。でもね、世の中って複雑なようでいて実はとってもシンプルなところがあって、どんだけあれやこれや策を練ったところで、「何もしなければ何もはじまらない」というのが常なの。これは人間関係だけじゃなくて、仕事だって恋愛だって、なんだってそうなのよね(自分で言っててなんだけど、身につまされるわぁ……あぁ、生き方反省。苦笑)。
だから、会えた時に「やほ!ちょっと単刀直入に言うわ。色々ごめん!」と声をかけてみるとか、それが難しければいきなり電話をかけてみるとか。口でうまく気持ちを表現できるかわからないというなら、SNSのDMでも、手紙でもメールでも(長文でも短文でも大丈夫)、なんなら絵や写真や物にしてみてもいい。何かかたちに変えたものをとどけてみるっていうのもひとつの手(思いの伝え方ってたくさんありますね)。相手と話すきっかけを、どんな方法でもいいから作ってみてほしいんです。
関係性がその結果修復するかどうかは、あたしにもわかりません。こればっかりは時の運だし、相手ありきのこと。もしかしたら拒絶されることもあるかもしれないし、変にぎくしゃくして、前とは違う距離感になってしまうかもしれない。喧嘩したとき以上に傷つくことだってありうるでしょう。しんどいよね。
でも、その人とのことを胸にかかえたままどうしようもできず、心のなかに悪性腫瘍とも言うべきこびりつきを育ててしまうよりは、傷つく可能性すら、その腫瘍を取るためのひとつの「手術」のようなものととらえて、相手にぶつかってみた方がいいと思うの。
(2通目の方は特に、「過去のこととして忘れるべきか」って質問を送ってきてくれているけれど、「週に数回皆が夢に出てくる」って、その時点で「忘れられる」という段階を超えているような気がします。だからこそ、思い切った「手術」を施してみては?とお伝えしたいわ)。
もちろん、ぶつかるときにはいくつか気をつけなければならないこともあると思います。あたしからアドバイスしたいのは、以下の3つ。
こういう注意点は、他にもいろいろあるかもしれない。ただそれも、揉めた相手へのアクションありきのこと。まずは「謝罪する!この関係にメスを入れてやるんだ!」と決意して、それを自分なりのやり方で、不器用でも無様でもいいから実行に移してみてくれればと、今回投稿してくれた2人にはそうアドバイスしたいです。
狭いようで、案外だだっぴろいこの世界。その中で誰かと知り合って仲を深められたって、実はとっても奇跡的なこと。大丈夫。しっかりつながっていた関係性なのなら、一度揉めてしまって離れたとしても、きっと、きっかけさえあれば案外簡単にもとに戻れるはず。
相談者さんたちの背中を少しでも押すことができていたならと、そう祈っているあたしなのでした。構えすぎず、素直な気持ちで友達と向き合ってみてねん。どちらもファイトよ!
今回は、仲違いをしてしまった友達に関する相談でした。
いやはや友情ってさ、ねじれたり途切れたりする瞬間もあって、そういうときってつらくて苦い気持ちを味わわされるものだけれど、それだけじゃなく楽しさも嬉しさも、これでもかってぐらいたくさん運んできてくれるものよね。だからこそやっぱり、友達って大事にしたいわぁ。
ではでは皆さん、Sitakkeね〜!
***
文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
***
満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。) 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。
***
元記事:気まずくなった相手と"仲直り"したいなら。やったほうがいいこと/やらないほうがいいこと #てる子のお悩み相談ルーム
※掲載の内容は元記事掲載時(2022年3月)の情報に基づきます。
「気まずくなった相手と“仲直り”したいなら。やったほうがいいこと」
これは「甘え」でしょうか?もっとがんばらなきゃ、と思えば思うほど、心が折れて辛い。
【あなたのお悩み、大募集!応募フォーム】人生、仕事、恋愛、家族、自分の性格のこと…ガチめなお悩みから、
「気分転換におすすめの映画は?」といったテーマなど、どんな悩みでもウェルカムです!!