高級志向のチョコレート工場が、夕張に進出!
「made in HOKKAIDO」をアピールして商品力や生産能力を高めます。
一方、地元では、新工場が地域の活性化にもつながると期待を寄せています。
印象的な黒猫のパッケージ。
中に入っているのは、直径3センチほどの、色とりどりのチョコレートです。
いま女性を中心に人気を集めるチョコレートブランド「CACAOCAT(カカオキャット)」。
高級住宅街として名高い東京・港区の白金台に本店があり、ふた粒で356円からと高級指向のチョコレートです。
チョコレートにはネコの爪あとのような4本線がデザインされ、かむと中から柔らかなチョコレートが溶け出すのが特徴です。
このカカオキャットの工場が、12日、夕張市に開業しました。
去年閉鎖したマルハニチロ夕張工場を買い取ったもので、サッカーコートが5面もとれる広さです。
この新しい工場を拠点に規模を拡大し、増産を目指します。
特産の「夕張メロン」を使うなど、地域に根ざした製品の開発も始まっています。
カカオキャットを手掛けるのは、菓子の製造販売を行う、株式会社DADACA(ダダカ)。
夕張にちょうどよい空き工場があったこと、夕張の涼しい気候がチョコレートの生産や保管に適していることから、工場オープンを決めたそうです。
さらに、工場オープンに先駆け、ことし8月には、本社機能まで夕張に移転しました。
夕張での事業を進める中で、人口減少・高齢化、夕張メロン農家の後継者問題、雇用枠が少ないといった、夕張が抱える課題に直面。
地域の課題解決にも貢献したいという思いで、本社移転を決断したということです。
DADACAの田嶋慎也社長は、人気のベーカリーチェーン「ハートブレッドアンティーク」や「ねこねこ食パン」など数々のヒット商品を手掛けた話題の起業家です。
「一番の懸念は人口が少ないというところで雇用が集まるかなというのが唯一の懸念点だったけど、現地の方もだいたい9割くらい採用できた」と話す田嶋社長。
地元を中心に採用した40人ほどの従業員を、今後は100人規模まで増やしたいといいます。
また、カカオキャットは海外進出も視野に入れており、「人口減少が食い止められて次の上昇に持っていけるくらいまで、デカい会社を作っていきたいと思う」と意気込んでいました。
運営会社の本社と工場の移転に、地元夕張からも期待を寄せられています。
夕張の厚谷司市長は「若い方やお子さんにも夢を与える事業だと受け止めている、単に雇用が産まれたり製品が製造されるだけでなくて、今後は交流人口の獲得も視野に入れていただけるような事業展開も期待しながら、バックアップしていきたい」と語っていました。
カカオキャットは夕張での工場オープンに加え、14日には、札幌市白石にも道内初となる店舗をオープンします。
北海道に魅力を感じる企業と、自治体のメリットがうまく合致して発展していくモデルケースになるかもしれません。
※掲載の内容は番組放送時(2022年10月12日)の情報に基づきます。