一風変わった出で立ちで、廊下を踊りながら進む、制服姿の生徒たち。
そしてその様子をスマホで撮影!?
ひと昔前なら怒られそうな風景ですが、実はこれ、学校公認の活動!
新しい放課後の姿なんです。
こちらは、札幌市南区にある、私立の札幌新陽高校。
撮影していたのは、短い動画を共有できるアプリ「TikTok」用の動画です。
札幌新陽高校では、20人程の生徒と教員が手を組み、TikTokの動画を撮影する「TikTokBU(ティックトック部)」として活動。
学校の日常風景を、ほぼ毎日投稿しています。
投稿数はこれまで300本以上!
生徒たちだけでなく、なんと先生たちも動画に出演。
照れながらも踊りなどを披露し、気取らない素顔を見せています。
ほかにも学校祭の裏側を見せたりと、生徒たちのアイデアでさまざまな動画を投稿し、学校のアカウントとしては異例の大バズリ!
中には再生回数が550万回を超える動画もあるんです。
しかし、なぜ、学校でTikTokなのでしょうか。
札幌新陽高校の赤司展子校長は、「今の中学生はどうやら、フェイスブックとかインスタとかツイッターよりもTikTokだ。というのを聞いて、じゃあTikTokのSNSをやってみようってなったんですね」と説明します。
そう、このTikTokは、中学生に「札幌新陽高校へ入学したい」と思ってもらうためのPR活動なのです。
「TikTokBU」で活動する1年生の南出優佳さんは「中3の方々に新陽高校っていうのを知ってもらうためとか(学校生活が)楽しいんだよっていうことを届けられたらいいなって思ってやっています」
顧問の青山真里子さんは、こうした学校ぐるみでのSNSでの活動を「私たちの時代ではありえなかったことですごく新鮮」としつつ、「私も楽しいなと思ってやらせてもらっている」と話します。
北海道は傾向として私立高校よりも公立の高校を選ぶ生徒が多く、少子化も加速する中で、私立高校にとって生徒募集は死活問題。
札幌新陽高校も生徒集めには苦戦していて、2015年~16年には経営が厳しい状況にまでなったといいます。
そんな中で、今回のTikTokBUをはじめ、Eスポーツ部や、道内に少ない女子硬式野球部も設立するなど、新しい取組みに挑戦しているのです。
昨年から始まったTikTokBUでの動画投稿ですが、すでに効果が表れているそう。
例年参加者は200人以下だったという、中学生向けの学校説明会。
ことし8月の学校説明会では、なんと参加者が4倍に増えたといいます。
そんな札幌新陽高校の活動は、TikTok運営側にも認められていて、動画制作のオンライン講習を受けたり、撮影の補助金がもらえたりする機会も得ているんだとか。
札幌新陽高校の赤司展子校長は「生徒も楽しみながら広報活動ができるという一つの前例となって、全国の他の学校も『あ、こういうやり方もあるのか』って思ってくれればすごくいいなって思っています」と話していました。
※掲載の内容は番組放送時(2022年10月7日)の情報に基づきます。
パートナーメディア