アウトドアブーム、そして防災意識の高まりで、いま大人気の「キャンピングカー」。
そのキャンピングカーの新ブランドを立ち上げた道内企業がありました。
世界に1台だけのオンリーワンのキャンピングカーを、驚きの低価格で作り上げる!
その挑戦と、安さの秘密に迫りました。
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こちらが、7月に誕生したキャンピングカーの新ブランド「全力自動車(ぜんりょくじどうしゃ)」。
女性一人でも乗れる、可愛らしいデザインにこだわったそう。
気になる車内は・・・?
ドアを開けた瞬間、木の香りが!
床、天井、棚、すべて木材でできているんです。
水道、電源、冷蔵庫など最低限の設備が整っているほか、備え付けの棚も作られています。
こちらのキャンピングカー、気になるお値段はなんと!
車両代などすべて込みでおよそ250万円!!
一般的なハイエースタイプのキャンピングカーは600~700万円するといい、比較するとかなりの低価格です。
ここまで価格を抑えられる一体どうして?
その秘密は、グループ会社の強みにありました。
こちらのキャンピングカーを製造するのは、道北・士別市に本社を構える「イトイグループホールディングス」。
土木や建築、飲食、自動車整備、再生エネルギーなどの事業を行う7つの会社から成り立つ、地域創生企業です。
このキャンピングカー「全力自動車」は、グループ内の「車の職人」と「建築の職人」が手を組んだ事で誕生したのです。
車の整備から販売まで行う、グループ内の「士別カードック」。
創業44年、確かな知識と技術で地元の方々の生活の足を支えてきました。
価格を安く抑える決め手となるのが、この士別カードックが担う、キャンピングカーのベースとなる車の仕入れなんです。
キャンピングカーの販売価格およそ250万円。
そのうち、なんと車両代は、たったの約60万円!
価格が安いワケは、走行距離。
新車であれば350万円~400万円するというこちらの車種ですが、走行距離が24~25万キロ走っていたため、かなりの低価格で仕入れることができたといいます。
士別カードックの鈴木さんは「距離を多く走っているからすぐにダメになるわけではない。車専門の整備会社で点検・整備を行っているのでそこは安心してもらえる」と話します。
新車にこだわらなければ、ここまでぐっと費用を抑えられる!
しかも、プロが認めた車なので安心して乗る事が出来る、というわけです。
購入後のメンテナンスもサポートしてくれるといいます。
そして、こんな努力も行っていました。
こちらは、先日オーダーメイドで全力自動車のキャンピングカーを注文したお客さんのベース車両。
もともと傷やへこみがあった車を仕入れ、キャンピングカー制作前に修理したものです。
相場では180万円する車両ですが、傷があったため140万円で仕入れることができたといいます。
相場よりも40万円安く仕入れ、自社工場で傷を修理。
そうすることでトータル30万円の費用をカットすることが出来ました。
そして、キャンピングカーの内装を担当するのは、土木や建築事業を行う「イトイ産業」。
優しい木のぬくもりを大切にした家作りが人気の住宅メーカーです。
2年前に完成した社屋は、木を活かした建築などを評価し、表彰する「ウッドデザイン賞」も受賞。
木材の取り扱いに優れた、建築のプロ集団なんです。
イトイ産業の菅原さんは「キャンピングカーメーカーではないので、固定概念がない。住宅のデザインや構造のいいところを車の中にも使える」「断熱などの技術も転用できる」と語ります。
そして、住宅メーカーならではの、価格を抑えられるメリットがありました!
それは、住宅づくりで余った木材や端材を使えるということ。
余った木材や端材をストックしておき、それらを組み合わせて内装を作るそうです。
内装費は標準モデルで、木材と施工費合わせて110万円。
材料費をカットすることで、費用を抑えることができるといいます。
なお、内装はすべてフルオーダーメイド。
注文住宅のように客の要望にあわせ、壁やイス、建具などデザインや配置を決められるそうです。
これまでにない、オーダーメイドなのに、手の届くキャンピングカー「全力自動車」!
イトイグループホールディングスの菅原大介社長は「600~700万円するキャンピングカーだと、せっかく需要があるのに買うことができない」
「子育て世代でも求められる価格帯で妥協のないデザイン性のものを作りたい」と意気込んでいました。
※掲載の内容は番組放送時(2022年9月7日)の情報に基づきます。