「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。少しずつ秋らしい日が増えてきました。秋は、 台風シーズンでもあります。台風は発達するほど影響が大きく、季節をも変えてしまうことがあるのです。
毎年のように日本列島に大きな被害をもたらす「台風」。先日も台風11号が沖縄にとどまった後、足早に北海道へ近づき、道内に暴風をもたらしました。そして、きょう(9月8日)には台風12号が発生し、今後日本へ近づくおそれがあります。
気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、年間平均で約25個発生します。今年発生した台風は9月8日までに12個。これからたくさん発生してもおかしくありません。
台風は自力で動くことができず、上空の風に流されて高気圧の周りを回るように、日本へ放物線を描くようにして北上します。真夏は夏の太平洋高気圧が日本を覆っているため北上できず、大陸へ進んだり、南海上でウロウロしたりすることが多いですが、秋になり高気圧の勢力が弱まると、北へ進む道ができ、日本へ近づくようになるのです。
そして台風は勢力が大きければ大きいほど、上空の暖かい空気や冷たい空気を引き込むパワーも強くなり、異常な暑さや寒さをもたらすことがあります。
先日の台風11号では、台風が暖気を連れてきて、厳しい暑さが戻ってきました。道内でも30度以上の真夏日になり、石川県の金沢では38.5度と観測史上一番の暑さになりました。
暑さをもたらした台風としては、2020年の9月の台風9号では、新潟県の三条で40.4度を観測し、9月の全国史上1位を更新。同年の9月の台風10号では十勝地方の足寄町で34.4度を観測し、9月の北海道史上1位を更新しました。
逆に、2015年10月の台風23号では、北から寒気を引きずり込んで、道内では峠でも雪が降り、釧路地方の雌阿寒岳では平年より早く初冠雪を観測しました。(旭岳は9月29日に初冠雪を観測済み)ちなみにこの年は富士山よりも雌阿寒岳の方が早い初冠雪の観測となりました。
暑くなったり寒くなったりする原因は「台風のコース」です。
台風や低気圧の周辺は反時計回りに風が吹くため、台風が日本の西側を通ると南からの暖気が、東側を通ると北からの寒気が流れ込むことが多くなります。
秋にやってくる台風は、雨や風だけでなく、気温の極端な変化にも注意が必要です。
そして、台風や前線の影響で、秋は雨が多い季節です。あらためて、非常食の消費期限の確認や、懐中電灯の電池が切れていないかなど、防災グッズの確認をしておきましょう。
台風情報のチェックもお忘れなく!
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児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。
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