2022.08.30

育む

あなたはカブトムシ派?クワガタ派?昆虫がもっと好きになる絵本【4選】#今月の絵本通信Vol.13

子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」であるHBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。

この夏、我が家に「ノコギリクワガタ」がやってきました。夫が、知人から1匹もらってきたと興奮気味。3歳の息子はちょっとビクビクしながらも、興味津々にケースを覗いています。「クワガタの名前は何にする?」と聞くと、なぜか息子は「おねえちゃん!」と答え、そのまま“おねえちゃん”という名前に決定しました。オスなのですが……。

(プロテインゼリーを舐めるクワガタの“おねえちゃん”)

正直、筆者は虫が苦手です。しかし、子どもにとっては虫も犬も猫も花も太陽も、地球上のものはみんなお友達!? お散歩の途中で、「アリさん、こんにちは!」と挨拶することもあります。そんな姿を見ているとこちらも幸せな気持ちになりますし、子どもはどんな小さな生き物とでも同じ目線になって楽しめるものなのだと感じました
そこで今回は、“昆虫が出てくる絵本”を、カブトムシとクワガタを中心に4冊ご紹介します!

1.『カブトくん』(こぐま社)作:タダサトシ

【絵本内容】虫が大好きな”こんちゃん”が、森で見つけた巨大なカブトムシの幼虫を庭に埋めると、ある夏の夜、自分と同じくらい大きなカブトムシが出てきて…。カブトムシの背に乗って飛びたいという作者の夢がかなった絵本。(こぐま社HPより)

昆虫に関する絵本の中で、息子が最初に気に入ったのが、この一冊。

人間の男の子がカブトムシとお風呂に入ったり、一緒に寝たりする様子は、とても羨ましかったのでしょう。お風呂が嫌いなはずなのに、「僕もカブトくんとお風呂に入りたい!」と言ったこともありました。「カブトくん読んで!」と毎日本棚から持ってきます。

2.『かぶとむしのぶんちゃん』(童心社)作:高家愽成・仲川道子

【絵本内容】夜、”ぶんちゃん”は土の中から出てくると、メスのカブトムシを助けたり乱暴者のクワガタと戦ったり…。(童心社HPより)

カブトムシの生態を反映させたストーリーになっていて、いかにカブトムシが力持ちか、わかります。正義感の強い”ぶんちゃん”は、仲間たちにいじわるをしているクワガタを相手に、立派なツノを生かして勇敢に戦い、まるで横綱のように、次々とクワガタたちを投げ倒します!ぶんちゃんカッコいい!そして、メスの”ぷんちゃん”と仲良く、落ち葉の積もった土の中にもぐり込み、新たな命の誕生を予感させる終わりとなっています。

3.『くわがたのがたくん』(童心社)作:高家愽成・仲川道子

【絵本内容】夜、”がたくん”が遊びに出かけると、いろんな形のあごのくわがたがきて力くらべをすることに…。(童心社HPより)

先にご紹介した『かぶとむしのぶんちゃん』と同じ出版社から、同じ作者が出している絵本です!カブトムシから1年後に、クワガタの絵本を出版しました。この他にも『ころちゃんはだんごむし』『かたつむりののんちゃん』『ばったのぴょんこちゃん』など、虫の絵本シリーズを何冊も出している最強コンビです。

今度はクワガタが主役ということで、クワガタの生態の“なるほど”が詰まった1冊になっています。例えば、オスの大きく枝分かれした2本のツノは、実は「大あご」だということをご存じですか?また「小あご」と呼ばれるところには毛が生えていて、これで樹液を舐めているのだとか。クワガタの色々なことを知れて、虫が苦手な筆者も、“ちょっとだけ”興味が湧いてきましたよ!

4.『クワガタのラファエル、あばれんぼうのひみつ』(講談社)作:香川照之 絵:ロマン・トマ

【絵本内容】昆虫たちが、森でタネ拾いゲームを楽しむ中、クワガタのラファエルはうまく見つけられません。焦りがつのり、大暴れしてしまいます。どうして、そんなことをしてしまったのでしょう。それには、ラファエルが言えなかった、ひみつがありました。楽しい森に起こった、ちょっとした波乱。昆虫たちは、どのようなことを学ぶのでしょうか。(インセクトランドHPより)

昆虫好きの有名人と言えば、大人からも子どもからも俳優・香川照之さんの名前が挙がります。香川さんの絵本は、身近にあるけれど見落としてしまいそうな問題をテーマにし、子どもたちが大好きな昆虫を擬人化することで、感情移入しやすくなっています。“地球の未来”や“生き物との共生”などについて、親子で話し合うきっかけになる「インセクトランド」シリーズの中で、こちらの第5作『クワガタのラファエル、あばれんぼうのひみつ』は、自分の気持ちを上手く言葉にできない子どもたちが、お互いの心に寄り添って尊重しあう様子が描かれています。この絵本を読むと、いわゆる“イヤイヤ期”と呼ばれる時期の子どもたちのことも、“発達のあらわれ”なのだと、微笑ましく見守ることができるかもしれません。

ここまで昆虫の絵本を4冊ご紹介してきました。最初は虫に怯える様子もあった息子ですが、絵本に出てくる昆虫たちはどれも可愛らしく、愛着が湧いてきたようです。

絵本で興味が湧いたら、リアルな昆虫の世界へ行ってみよう!

絵本に出てきた昆虫たちに実際に会いにいこうと、札幌市厚別区にある『北海道博物館』で開催されている『世界の昆虫』という特別展に行ってきました。(開催は2022年9月25日(日)まで)

北海道博物館の前で

見たこともないほど多くの虫の標本に、大人も圧倒されます。また、会場に入ってすぐ出迎えてくれた大きなクワガタの模型に息子は大興奮!しっかり見ようと思ったら2~3時間は必要な、かなり見応えのある内容です。

ちなみに北海道博物館の周りは野幌森林公園!虫取り網とカゴを持って訪れている子どもたちも多かったですよ。
そろそろ夏も終わりを迎えますが、秋に綺麗な「虫の声」が聴こえてくるのも楽しみですね。

〈参考〉
北海道博物館
住所:札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
電話:011-898-0466
休館日:毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日)、年末年始、ほか臨時休館あり
観覧時間:9時30分~17時(5~9月) 9時30分~16時30分(10~4月)
入館は閉館の30分前まで
ホームページ 北海道博物館

***
「連載コラム・今月の絵本通信」
文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
Instagramも更新中!
@hbc_sekihachisayaka

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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