2022.09.05

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「お手伝い」と「旅」を融合させ、地域と若者をマッチングする「おてつたび」

若者の旅のニーズに応えつつ、関係人口を増やしているという「おてつたび」。

人手不足で困っている地域と地域で働きたい若者とのマッチングを行うインターネットサービスなのだが、ここ3年で利用者数は2万人を超えており、北海道でも受入先が増えている。

その受入先のひとつ、平取町の農業法人の方と、お手伝いしながら旅する大学生に、その感想を聞いた。

***

平取町の芽生すずらん群生地から車で5分、Y字路付近にワールドファーマーズプロジェクト(以下WFP)の広大な畑がある。「おてつたび」で来た若者がブロッコリーを育てている畑だ。

大学生2人は、時期をずらしながらブロッコリー畑で定植作業に従事。ここは耕作放棄地だったがWFPが復活。100年かけて開拓して作った先人の努力を受け継いでいる

左からシュウさん(20才)、WFP冨安さん、ピンキーさん(22才)

働いていたのは、シュウさんとピンキーさんの大学生2人。WFPの冨安寛樹さんに準備をしていただき、彼らの昼の休憩時間に話を聞くことができた。

「いろいろな地域を回りたくて。旅先で働けたら低コストで回れますし、いろんな人と出会えます」とシュウさん。

そしてピンキーさんは「知らない場所でも住んでみるといい場所という発見があります。働くことで地域の事業に深く入れるし、一員になれる。吸収できることが多い。将来は北海道に住みたいです」。

スーパーまで車で40分なので1週間分を買いだめ。取材日は食料が底をつき、お昼はタッパにごはんのお弁当。箸を忘れて、明るく笑いながらフタで食べる姿が爽やかだった

魅力は、観光ではできない地域との関わり。おてつたびが叶えるプチライフスタイル体験は、関係人口拡大に直接貢献でき、過疎地への移住も活性化できるに違いない、と感じられた。

WFP
岡山県で耕作放棄された棚田の再生を目的に、農業法人などで構成されたプロジェクトチーム。

日本人以外にアジア全体から農業研究者を募集し、共に働きながら日本の農業にない知見を取り込んで農業のグローバル化を目指していたが、コロナ禍で彼らの来日ができなくなり、人手不足解消のため、おてつたびの受入れを始めた。

第2の拠点・平取町では2020年5月から栽培を開始し、ここでも耕作放棄地の再生に取り組んでいる。

取材協力
株式会社おてつたび
東京都渋谷区代々木3丁目31-12

ワールドファーマーズプロジェクト
平取町豊糠

※掲載の情報は2022年7月発行の北海道発掘マガジン「JP01」に基づきます

北海道発掘マガジン JP01

179市町村、14振興局のありのままの、でもありきたりではない魅力を共有し、「思わず出かけたくなる北海道」として皆様にお届けする北海道を発掘するフリーマガジン。

https://jp01.jp/

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