2022.08.26

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仕事優先の夫|家事も子育てもすべて私に丸投げ…どうしたらいい?【お悩み】

は〜いみなさん、ごきげんよう! Sitakke連載【お悩み相談コラム】担当・満島てる子です。

最近「パートナーが自由すぎて困ってる」とか「大事な人とこんなルール決めをした」とか、なぜかやたらと周りから、人生をともにしようと思っている相手についての相談や報告を受けることが多いんです。これはもうすぐ秋なことが、なにか関係しているのかしら……?それとも全国的な天候の乱れが、みんなの心まで大荒れにさせているとか?不思議よねぇ〜。

かく言うあたしは、自由気ままな根無し草!
……だったらいいのですが、やっぱり例にもれずお天道様にこころを引きずられているのか、大雨の夜とかなんだか人恋しくなってしまい、長年の腐れ縁の相手に「ねぇ会いたい」と、爆酔いした勢いで、ちょっと薄気味悪いぐらいど直球なメッセージを送っちゃったりして。苦笑
やぁねぇ、人間の感情って。燃えるゴミに出せるんだったら出したいわ。

ともあれ、ほぼ生活の一部になっているぐらいの相手だったりすると、その人の一挙手一投足が自分の気持ちのあり方、なんなら生き方を左右することもあるだろうし、にも関わらず距離が近すぎたりすると、そのせいでちょっとした不満とかを気づかぬまま(気づいていたとしても伝えられぬまま)、こころの奥底に閉じ込めちゃったりするよね。

今回いただいた投稿は、そんな感情のふたがどうやら抑えきれなくなったらしい方からの相談なんです。よ〜し、誰かさんのパンドラの箱、覗いてみようかしらね。

今回寄せられたお悩み「夫がいるのに、"自分1人"のような心細い気持ちになります」

なんとなんと!愛知県からのお手紙とな。
いろんな方にSitakke、そしてこのコラムを読んでいただいているのだなぁと、改めて嬉しくなっちゃうわけですが、まずは「鯉のぼりん子」さん、投稿ありがとうございます!
そして、毎日の子育て、家事ときてダブルワークまで、本当にお疲れ様です。

内容から察するに、きっと毎日息つく暇もなく「目の前に常にやることが……(昇天)」って感じなのでは?と想像してしまうのですが、どうなのかしら。
書いてもくれているけれど、そりゃ「疲れている」って本音やいろんな愚痴が出て当然だろうし、それでもパートナーのことまで考えながら今日もきっと色々動いているのであろう「鯉のぼりん子」さんの姿を想像すると、遠くの土地から「がんばりすぎずにがんばれ……!」と応援したくなる気持ちでいっぱいになります。

それにしても、お家のこととその分担って、皆さんはそこらへんどうしてますか
わりとしんどいのが、家庭内でのやることがきちんと平等に割り当てられているかどうかっていうこの話題、可視化される機会が少ないような気がするんです。

「男女共同参画」「ジェンダー平等」という言葉は、SDGsのゴールのひとつとなっていることも相まって、近年よく見かけるようになりました。ではその内容といえばですが、様々な方向性がありながらも、とりわけ男女の社会進出の状況に目が向けられているように思います。

管理職の男女割合が気にされたり、賃金の格差が問題となるのは、そのアプローチの好例と言えるでしょう。「どれぐらい表で活躍できているか」「お金はもらえているか」というのは、パーセンテージだったり金額といった数で測ることができるため、わかりやすくデータにすることができるのです(とはいえ、そのわかりやすい数値をもとに算出された「ジェンダーギャップ指数」という国際基準から考えても、2022年時点で日本は146カ国中116位と、非常に遅れた国であることが否めないわけですが)。

ですが家のなかという、なかなか表にされないプライベートの様子については、そこに「数字」という共通項を導入して、統計を取るようなことも一筋縄ではいかないでしょう。
なので「鯉のぼりん子」さんのように、家事労働の担い手とされた方たちは、他の人たちはどうやっているのかを情報として知ったり、普通ってなんなのかを考えたりもできないまま、とりあえずそれぞれの家庭のなかで自分たちなりのやり方を模索しつつ、その中で苦しんでいることもあるのでは……と想像します。

もちろん周囲の「ママ友」たちと「あたしんところはこうでさぁ」という話になったりもするかもしれない。でも、きっとそれにだって限界はある。
置かれた環境や、パートナーをはじめとする家族との関係性。さまざまな部分でそれぞれの家に違いがあって、それを考えたときに「こうあるべき」というのも変化するもの。
その変化にどれほど気を遣い、頭を遣ってらっしゃることか……お手紙を読みながら、投稿者さんの境遇について「大変なことだろう」と、その身を案じざるをえなかったのでした。

あたしなりのAnswer

さて、とはいえ心配しているだけではいけませんね。ここからはあたしなりに「鯉のぼりん子」さんに向けて、「こうしてみては?」というアドバイスを届けられればと思います!

最初に、メッセージの中にも登場する旦那さんについて。
まず彼には「ちょっと、家のこと、やろっか?」と、分担を求めて全然いいはずだし、むしろそうする必要があるんじゃないかなと思います。

少し書いてくださっているように、これまで「鯉のぼりん子」さんは、パートナーのひととなりだったり、仕事への向き合い方などを踏まえた上で、できる限り家庭内での彼のストレスが減るように努めてきたのよね。

その努力は絶対に讃えられるべきもの。北海道と愛知県っていう距離さえなければ「偉い!あんたが大将!」と、面と向かって叫んであげたいぐらいです(てかセントレア空港って新千歳と同じぐらい絶妙に都心部から遠いよね、今関係ないけど)。

けれど、じゃあ本来パートナー(partner)ってどんな存在かっていうと、ラテン語の“partio”(「分け合う」という意味の動詞)がその語源であることからもわかるように、生活に関わるいろんなことをシェアし、家事なら家事、子育てなら子育ての一部(part)をそれぞれが担って、ふたりの物語を作っていく、そんな動きを相手のためにできる人だと思うんです。

だから、旦那さんが「外野のつもりでいるのかも」って疑念があるのなら、「お前、外野でいる気?どっちかっていうとピッチャーやってくんね?うちらバッテリー組んでるはずなんだけど?」と、ちょっとタイムとって話し合ってみるのも、人生という試合を続行していくためには大事
むしろその時間を設けるのは、「鯉のぼりん子」さんが旦那を自分のパートナーとして認め、愛していることの証明にもなります。

もちろん、いきなり完全なフィフティーフィフティー状態にすべき、と言いたいわけではありません。旦那さんの余力や、ご自身の抱え具合とも相談しながら、「まず洗い物はあなたね」とか「とりあえず子どもの勉強は見てあげて」とか、そんなところの交渉から出発していいと思います。
大切なのは「考えを分かち合った」という事実。スタートを切ることさえできれば、その後の展開はこれまでの状況と少なからず変わってくるでしょう。「鯉のぼりん子」さんの「自分一人しかいない」という感覚も、きっとその時にはいくらか和らいでいるかも。

その上で、です。
それでも「まだ旦那が理解してくれない」「やっぱり全部あたしだけでやらなきゃいけない」という感覚だったり、実際のシチュエーションが続くようであれば、家と全く関係のない “外の世界” に助けを求めてみてはどうでしょう。

幸い、今はネットワーク社会。
直接会ったことはなくともSNSを通じて、同じような興味関心、なんなら痛みや苦しみを抱く仲間とつながることができ、普段表に出して話すのが難しい事柄についても、情報を共有することができます。
特定の話題に特化したWebサイトだってあります。子育てや家庭のお悩みについて言えば、HBCでは「コラフル」という、Sitakkeの姉妹サイトを運営中(https://co-lorful.sitakke.jp/ )。こちらには読者が実際に書き込み、自分だけではどうしたらいいかわからないことなどについて、他の人の意見を聞くことができるコーナーもあるんです(利用するためにはメンバー登録だけ必要だけれど、手続きは簡単だし無料で使えるよん)。
そうした場所での交流を通じて、きっとあなたも「自分はひとりじゃないんだ」と安らぐことができるでしょう。

もちろん、このお悩み相談ルームだって、ばんばん使ってもらっていいの。
「なんだようちの旦那……全然話聞かねえじゃん!このクソ男!」ってなったりしたら、またいつでも相談フォームから投稿をください。
その時には、クソ男のとっちめ方、全力で考えてあげるから(本気よ)。

伝えるべきことは伝える。
伝わらない場合は、気持ちをシェアできる仲間がいる場所へ行ってみる。

……単純に聞こえるかもしれませんが、だからこそ大事なこと。
「鯉のぼりん子」さんには、ぜひこの実践をおすすめします!

大丈夫。こうやってあたしがあなたにコメントを書き、それをコラムとして読んでいる人がいる時点で、「鯉のぼりん子」さんはもう孤独じゃない。
それに、直接の力になれないのが確かに歯がゆいところではあるのだけれど、おそらく相当のバイタリティがなければ回せないであろう、仕事・家事・子育てのやりくりをこなしてきた人です。
少しだけでいいから、そのパワーを「対話」に割いてみることで、旦那さんはもちろん、お子さんや周りの人たちが、ちょっとずつかもしれないけれど、きっとあなたに歩み寄ってきてくれるはず。

単に支えるだけではなく、パートナーをはじめ、家族とお互いにケアし合う。
今回の記事が、そんなゴールへ向かって「鯉のぼりん子」さんが歩んでいくための、背中を一押しする力になっていてくれればと、そう願っています。

ま・と・め♡

というわけで、「家庭とパートナー」という話題について書かせていただきました!
あたしは今単身者ではあるけれど、いつか誰かと暮らしたい気持ちがある人間としては、今日のお悩みって他人事には聞こえなかったし、みなさんの中にも、投稿者さんと似たようなお悩みや、家庭での課題を抱えている人、多いんじゃないかしら?

さっきも紹介したけれど、そんなとき本当に「コラフル」はおすすめ!
ちなみにこのサイト、お悩み相談だけじゃなくて、写真とか添えて日常の様子を報告なんかもできるの。くすっと笑える投稿もあるからぜひ覗いてみてほしいし(個人的に”融合”というタイトルの投稿、ツボにはまりました、みんなもそういうのどしどしUPしちゃってください。あたしそれ見て楽しむわ。←

そうそう、この「コラフル」の中で、選挙特番でご一緒した「HAMBURGER BOYS」の田村次郎さんが、「パパはギタリスト」っていうタイトルで4コマ漫画の連載をしているの。「次郎さん、納豆チャーハンが得意料理なのね……ウケる」と、ニヤニヤしながら読んでしまったわ。こちらもぜひ見てみてね!

どうせ悩むなら、それを楽しみに変えちゃいたいものよね。
その手助けとなるような仕掛けを、HBCでは各所で発信しているし、あたし自身も読者の方々にもっと届けていければと思います。これからも頑張るゾ!

ではではみなさん、Sitakkeね〜!

***
文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:nabe(Sitakke編集部)
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、[「7丁目のパウダールーム」]の店長に。LGBTパレードを主催する[「さっぽろレインボープライド」]の実行委員を兼任。) 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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