連載「#ソロ飲みのススメ」では、アルコール全般をこよなく愛するライター・オサナイミカが、北海道で暮らす女性(もちろん男性も)たちの、”一人飲みデビュー”を応援すべく、一人飲みにぴったりなお店をご紹介していきます。
毎日忙しい日々を送る読者のみなさん、たまには自分へ「カンパイ!」してみてはいかがでしょう?
今回ご紹介するのは、地下鉄南北線 澄川駅から徒歩4分・飲食店が入居する建物の2階にある【立ち呑みやかんスタンド】
赤い“立ち呑み”の行燈が目を惹くので、澄川界隈にお住まいの方は見かけたことがあるのではないでしょうか?
店舗は2階奥。正直言うと、初見ではちょっと入りにくい雰囲気。でも“やかん”が妙に気になります!
思い切って入ってみると・・・
どこか昭和のよき時代を思い出させる、味のある店。立ち飲みカウンターの他、椅子のあるテーブル席が2つ。
店内にはかなり目立つ『アサヒ生ビールマルエフ』の文字。そして上部にはマルエフの缶がビッチリ!
こちらのお店、今話題の“マルエフ”の生ビールが飲めるのです(550円)。札幌市内でもマルエフの生を扱っている店はまだそう多くないので、こちらをお目当てに来店する方も多いそうですよ。
おつまみはホワイトボードに記載されています。
全くオシャレ感はないのですが、それが逆に田舎の食堂を思わせてくれて、ずっと昔からここにあるかのような安心感があります※ちなみにオープンは2021年11月
お隣のショーケースには人気のコロッケや、本日の食材が並んでいました。
ホワイトボードの右下をよく見ると、『他にも食べたいものがあれば作ります』との記載が・・・
お店の隣に市場があり、食材はそこから仕入れているので、メニューもその時によって変わるそうです。
気になる食材を、好みの調理法で提供することも出来るそうですよ!
とりあえず、塩こんぶとピーマンをオーダー
ピーマンは生だけど全然苦くなく、そしてシャッキシャキ!
『特別なことはしていないですよ~』とのことですが、この味わいはアルコールのアテとして一番欲しいヤツですっ!
何が人気ですか?と尋ねたところ、だし巻玉子との回答がありましたので、当然オーダー。
見た目も味も、すごくキレイなお手本のような出汁巻き玉子!
一つ食べるごとに、噛みしめちゃいました。
ショーケースを眺めた時に気になってしまった、カキクリームコロッケもオーダー。
こんな風にハンドトスで食すコロッケ。
なるほど、カキがゴロンと入っているわけではなく、練り込まれているのですね!
これは飲まさりますっ!!
ということで、ハイボールをオーダー。
こうしてご自身で注ぐシステム。
ちなみにお替りするのが確定な方なら、最初から2ボール以上でオーダーするとお得になりますよ。
ハイボール以外でも2杯以上なら、やかんメニューでオーダーするのがお得とのこと。
お得感もそうですが、このミニやかんで注ぐと、なんともテンションが上がります!
こちらが店主の平子さん。
実は平子さんの本業は建築業で、地元のみならず、道外に出張することも多かったそうです。
そして昔から立ち飲み酒場が大好きで、どこの街でも立ち飲み屋に足を運んでいたそうですよ!
ということは、いつか立ち飲み屋をやるのが夢だったのでしょうか?
『実はほぼ勢いなのです(笑)と言ってもまったく計画なく始めたわけではなく、このお店を施工事例として造ってみようと思ったのがきっかけです。ですので、カウンター以外は私が施工しました!』と、平子さん。
建築業を始める前は、調理の仕事にも携わっていたことがあるそうで、さらに料理が大好きな飲み仲間が若女将として店を手伝ってくれることになり、店を始めることに。
オープンギリギリに店の看板を取り付けたとのことで、ゲリラ的なオープンだったそうですよ。
(通常は先に看板をつけて、周囲の方にPRすることが多い)
立ち飲み屋スタイルにした理由は分かりましたが、なぜ“やかん”を?
『韓国の焼酎のCMか何かで、やかんから注いで飲むシーンがあったのです。そのシーンがすごくイイ雰囲気で、お隣にいる方に注いだりと、知らない人同士も盛り上がっていたのが印象に残っていました。今回お店を始めるのに、なにか特徴的なことを思い、このミニやかんを使うことにしたのです。』と、平子さん。
ちなみにこちらのやかんは35個あるそうで、たぶん全国で一番あるのではないかとのこと(笑)
そしてこのやかんは、大阪府にある“前川金属工業所”の商品なのですが、いくつかのやかんを見て、このフォルムが気に入って決めたそうです。
今までやかんの形なんて気にしたことはなかったけど、メーカーによってフォルムが違うものなのですね!
↑店にあった、やかんのカプセルトイ
カプセルトイになるくらいなので、一定層の“やかんマニア”はいると言う事で、『SNSで“やかんスタンド”という店名が気になって来てみた』というお客様もいらっしゃるようです。(オサナイもその一人・笑)
入口横にある、時代を感じる自販機
よく見ると、“たばこは販売しておりません”との文字
実はこちらの自販では、“高級珍味”が販売されています!
『実はこの自販機、内部の部品が欲しくてネットオークションで購入したのですが、あとから珍味を販売するアイデアが思い浮かびました。その話を友人にしたところ、その方の実家が珍味屋さんだったことが判明し、取り扱うことに。このような話は他にもいくつもあって、店を始めて改めて人の縁と言うものを感じる機会が増えました』とのこと。
それから“ヤカーリング”というイベントを不定期で開催しているのですが、いつか地域の子どもたちも巻き込んで、ヤカーリングのイベントなどもしてみたいそうです。
『お店はまだひよっこですが、足を運んでくれるお客様はもちろん、地域の皆さまにも長く愛される存在になれたらと思っています』と、勢いで始めた平子さん、しっかり10年先も見つめているようです。
〇ノーチャージで2000円もあれば十分楽しめる
〇店主自身が立ち飲み屋好きで客よりの思考なので、喜ぶポイントが分かっている
〇全国各地に足を運んでいるので、色々な地域の話しについてきてくれる
〇若女将も大のお酒好きで、一緒に盛り上がってくれる
〇色々楽しい仕掛けがあって、ワクワク出来る
【立ち呑み やかんスタンド】
札幌市南区澄川3条3丁目3-1 3・3ビル2階奥
電話番号非公開(SNSのメッセージ機能で連絡可能)
月~日 17:00~24:00
不定休※SNSで確認
連載「#ソロ飲みのススメ」
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文:オサナイミカ
Edit:nabe(Sitakke編集部)
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【ライター:オサナイミカ PROFILE】
札幌生まれ・札幌育ちの、アルコールをこよなく愛するアラフィフ、小学生の息子の母。 (株)リクルートが発行する情報誌生活情報サンロクマル(現Hot Pepper)の営業を経て、 2007年よりWEB情報サイトSapporo100milesの編集長として、札幌や北海道の食と観光の情報を 【オサナイミカのつぶやき】にてアップしている。