2022.07.28
育む夏場は、ほんの少しの時間でも、注意したいことがあります。
車の中の「危険な暑さ」です。
道内で、去年6月から8月までの間に、車内に残された子どもやペットが救出された件数は、46件にのぼります。
どれくらいの時間で、車の中は「命の危険」がある暑さになると思いますか?
連載「じぶんごとニュース]」
こちらは、JAF(ジャフ)=日本自動車連盟の実験映像です。
日なたと日陰で、車の中の温度を比較しました。
気温32℃の日に、エンジンを切って停車すると…
日なたの車は、わずか10分で車内が35℃になりました。
さらに30分後、日なたの車内は42℃。
日陰でも、35℃まで上昇しました。日陰の駐車場でも、車内は高温になってしまうのです。
JAF札幌支部の木村英二郎事業課長は、「エンジンを切っていると、すぐに車内の温度は上がってきます。『少しの時間だから』とか『寝ているから』という理由で、車内にそのまま置いておくのは非常に危険」と話します。
旭川では、6月30日、パチンコ店の駐車場で、生後4か月の男の子を車の中に置き去りにした疑いで両親が逮捕されています。
こうした「車内放置」を未然に防ごうと、7月に入り、対策を強化した店もあります。
札幌市清田区のパチンコ店です。
子どもが車内に残されていると、命の危険があるため、「1時間に一度、巡回するように心がけている」といいます。
巡回の際に、従業員が背負う黒いリュックサックには、緊急時に窓ガラスを割るためのハンマーや、子どもの体を冷やすための水とタオルを入れています。
この日の札幌の最高気温は、30.8℃。
パチンコ店の駐車場の温度をサーモグラフィーで調べてみると、直射日光が当たるアスファルト路面は50℃を超え、駐車している車の表面も、やはり50℃に迫っていました。
従業員は、子どもが車内に放置されることを防ぐために、472台が駐車できる立体駐車場と青空駐車場をくまなく見て回ります。
「車のチャイルドシートがないか、もしあれば、小さいお子さんが中にいないかを気をつけて見ている」といいます。
店内でも、「当店では、駐車場などにお子様を残されてのご入場、遊戯目的での18歳未満のご入場はお断りしております」というアナウンスや、ポスターで「置き去り」防止への注意喚起を行っています。
一方、子どもの命を守るため周囲のサポートを上手に利用する方法もあります。
子どもの一時預かりについては、事前面談などが必要なところも多いですが、こちらの民間託児所「ママズ スマイル札幌大通店」は、5分程度でネット上の会員登録を済ませると、その日から利用できます。
モットーは「託児に理由・罪悪感はいらない」。
利用者は、「ネイルとかは子どもと一緒に行けないから預けています。預けるのも旦那の親だったから、何回もいうのも申し訳ないとかあったり…ここは気軽に預けられるからいいなって」「ちょっと病院で、あと1時間遅れそうだとかも融通がきく…もう一時間お願いといえたり」と話していました。
1時間1200円からと、利用料はかかりますが、急な託児でも、空きがあれば柔軟に受け入れてくれる施設です。
ママズスマイル札幌大通店保育スタッフの近江聖子さんは、「リフレッシュやお仕事、病院とか理由はそれぞれだけど、離れている時間を親子が違う意味で楽しんでもらえたら、お互いいいのかな」と話していました。
ほんの少しでも、日陰でも、車内への置き去りはしない…だけど、周囲のサポートを得ることには罪悪感を抱えずに、親子で健やかに過ごしてみませんか?
連載「じぶんごとニュース]」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の情報は番組放送時(2022年7月7日)の情報に基づきます。
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