「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
札幌では、初夏を告げるライラックまつりを皮切りに、YOSAKIソーラン祭りや、北海道神宮例大祭、大通公園のビアガーデンなど夏のイベントが続々始まる時機となりました。
北海道の初夏の風物詩といえば、もうひとつ。まるで雪が降っているかのように、フワフワと舞う、白い綿のようなもの。 地面に積もって一面が白くなっているようすは、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
タンポポの綿毛にしては大きく、そして量が多い・・・以前は「なんだろう?」と疑問に思っていました。これは「ポプラの綿毛」です。成熟した実から種を含む綿毛が飛ぶ様子は、初夏の訪れを感じる風景です。
そして、綿毛が風に乗って土に舞い降りると、札幌の都心部でも、このように芽を出し、ポプラの苗木に成長します。
ポプラの綿毛の数は、花芽の量に比例します。花芽の量は、前年の夏ごろの天候が大きく影響し、暑くて日ざしが多いほど、たくさん作られます。
昨年の夏といえば、記録的な暑さで雨が少なく、日照時間は多くなりました。ということで、今年はポプラの綿毛が多く飛ぶ可能性があります。 空気が乾燥し、風が強い日ほど綿毛は飛びやすくなります。晴れて風の強い日は、雪のように空中を舞い、綿毛のじゅうたんが広がる様子が見られそうです。
幻想的な景色にも見えますが、口や服の中に綿毛が入り込んだり、ガーデニングの植物の上に綿毛が降り積もったりと少し厄介なことも。量が多くなりそうな今年は、いつもより注意が必要です。
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児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。