「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
道内の行楽地でも続々と夏の営業が始まり、行楽シーズンがやってきました。高速道路をドライブ中、「こいのぼり」のようなものを見かけたことはないですか?今回は、その正体に迫ります。
道路わきに立てられたポールに布が付けられていて、ヒラヒラしているアレ。名前は「吹き流し」といいます。吹き流しは、トンネルの出入り口や橋の上など横風が発生しやすい場所に設置されていて、風への注意を促すものです。風速5メートルくらいで吹き流しの角度は45度くらい、風速10メートル以上で真横にたなびくようになります。
風速10メートル以上の風が吹くとき、気象庁から「強風注意報」が発表されます。普段の生活の中でも、傘がさせなくなったり、風に向かって歩きにくくなるほどの風です。高速道路では、横風に流されるような感覚を受けるようになります。
雪もなくなり、バイクでツーリングをする人も多くなる季節です。吹き流しが真横になっている時は、横風にあおられて転倒しないよう、速度を控えめにしましょう。
安全で楽しくお出かけができるよう、吹き流しはドライバーに注意喚起をしているのです。お出かけ前、移動する地域に 強風注意報
が発表されていないかも確認しておきましょう。
ちなみに、端午の節句の風物詩である「こいのぼり」は、風速2~3メートルで泳ぎはじめ、風速5メートル以上で元気に泳ぐようになります。風速10メートルを超える風の中では、暴れだして絡まったり飛ばされたりすることもあるので、強風注意報が出ているときは、こいのぼりはおろしておく方が安心ですよ。
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児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。