2022.05.01

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【調査】ドーナツには、なぜ穴が空いているの?その穴の部分は、誰が食べているの?

ドーナツの穴の謎に迫る!

視聴者からの疑問や悩みを調査するHBC報道部の「もんすけ調査隊」。こんな疑問が寄せられました。

どーなっつが好きさん(30代・男性)
「みんな大好きドーナツ。なぜ穴が開いてるのでしょう?そして、ドーナツの穴は誰が食べてるのか?知りたいです」

なぜ、ドーナツには穴が開いているのか!?調査開始!

札幌の円山で人気のドーナツ店「ディーバイエム、ダヴィデドーナツ」。どのドーナツを見ても、やはり穴が開いていますが…くり抜くのではなく、手作業で棒状にして、輪にして作っているといいます。穴の部分の「余る生地」はありません。

ではなぜ、その穴を開けているのか?

それは、火を通りやすくするためだといいます。

穴を開けると、穴の部分からも均等に熱が伝わるため、火の通りがよいのだそう。

しかし穴がない場合、外側からしか熱が伝わらないので、火を通すに時間がかかるのだといいます。

本当に穴の有無で違いがあるの?実験してみた

本当に、穴があると火が通りやすくなるのか?札幌スイーツ&カフェ専門学校の学生さんに協力してもらい、試してみました。

穴の開いた型と穴の開いていない型に生地を流し込み、それを同じ時間だけ、オーブンで焼いてみます。180℃で焼くこと12分・・・

果たして、火の通り方が、どれだけ違うというのか!?

本当に火の通り方に違いはあるのか?講師に判定してもらったところ、穴が開いている方は、しっかりとキレイに焼けている一方で、穴がない方は、生地が生っぽくて全然焼けていない状態でした。講師は、「食べると食中毒になる可能性とかもあります。おそらくあと10分くらいは必要かなと」と話します。

見た目からも、同じ時間だけ焼いているにも関わらず、穴がある方は完全に火が通っていますが、穴がない方は、明らかに生焼けであることがわかります。

今度は、焼くのではなく、同じ時間だけ油で揚げる実験をしてみました。

やはり油で揚げてみても、穴のないドーナツは生焼け状態。

実験に協力してくれた学生は、「穴が開いているのと開いていないのだけで、こんなに違うんだと驚いている」「こんなにも焼く時間に差が出るのは驚きだし、私も初めて知った」と話していました。

穴のないドーナツは?!

でも、穴のないドーナツもあるじゃないかって?

札幌市内に5店舗を展開する「ふわもち邸」。左の「きなこ」のドーナツには穴がありますが、中央の「豆乳きなこ」のドーナツには穴がありません!火の通りは大丈夫なのでしょうか?

ふわもち邸では、中までしっかり火が通りやすくするために、小さいサイズにしているといいます。

穴のある「ごまあんこ」と、穴のない「きなこ」を比べてみると、確かに穴のないドーナツは小さいです。

さらに揚げ時間も、穴のあるドーナツが1分半なのに対し、穴のないドーナツは、およそ2分と、時間を長くして揚げているのだという。

ちなみに、ふわもち邸では、ドーナツの穴の部分はどう作っているかというと…

生地を丸めて、箸で小さい穴を開けて、その穴を、手で大きく円状に伸ばしていくといいます。そうすることで、真ん中の生地のロスは出ないのです。

というわけで「ドーナツの穴は火の通りを良くするため!」と結論づけたいところですが…

『失われたドーナツの穴を求めて』の著者、椙山(すぎやま)女学園大学の芝垣准教授に聞きました。

芝垣准教授によると、「1800年代後半に船乗りのハンソン・グレゴリーが、ドーナツの穴を最初に開けたことになっている。1941年に世界ドーナツ大会っていうのがアメリカで開催されていまして、そこで決議されたことになっています」といいます。

写真提供:芝垣准教授

1941年と言えば、第二次世界大戦の真っただ中。アメリカのニューヨークでは、誰がドーナツに穴を開けたのか?熱い激論が交わされていたのです。

芝垣准教授は、「彼は船乗りだったんですけども、手にドーナツを持っていたのでは、舵がきれないから、舵から出ている木の棒にドーナツを、ぐしゅっと刺したことによって穴が最初に開いたんだ、とか…実家でお母さんがドーナツを作ってるときに、真ん中が生焼けで困っていたら、穴を開けちゃえばいいんじゃないのってくり抜いたんだとか…そういったストーリーがドーナツ会議では、全部比べられた」と話します。

ほかにも、アメリカ先住民が弓矢を放ったら家の中にあったケーキに刺さって穴が開いたとか、元々クルミが乗ったお菓子だったものが、クルミが手に入りづらくなったので穴を開けたなど、実に様々な説があり、いまだ、その結論は出ていないのだそう…

ドーナツの穴には、無限の可能性が秘められていたのです。

芝垣准教授は、ドーナツ研究者にとって、『ドーナツの穴だけを残して食べる方法』も、永遠のテーマだとも話していました。

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部IKU

※情報は番組放送時の情報に基づきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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