テレビや雑誌でサウナが取り上げられる中、旭川でもサウナ専門施設を中心にサウナブームが巻き起こっていますね。サウナに入っていてサウナハット(帽子)やサウナマットを持ってきている人を見かけるようになりました。サウナが大好きな編集Yは旭川だけでなく、旭川近郊や札幌のサウナに行くのですが、サウナが好きな人の割合は札幌に負けていないのでは!?と感じています(笑)そしてサウナ愛好家が多いのを裏付けるかのごとく、旭川郊外でサウナ専門の施設が次々とオープンしています。一般的な入浴施設にはない旭川郊外にあるサウナ専門施設の魅力をご紹介します!
当麻町の郊外にあるサウナ×カフェ×宿泊の複合施設『りとり~とびれっじTōma』。
2021年の年末にテレビのサウナ特集で紹介されていたので、ご存知の人も多いのではないでしょうか。
当麻町町長の村椿哲朗氏が熱波師として登場していたのは衝撃的でした。
【ポイント】
・熱波師とはバスタオルなどでサウナ利用者に高温の蒸気を仰ぐサービスをする人のこと。体感温度が一気に上がり、より汗がかけます。
なぜ当麻町にサウナ施設を作ったのか?
『りとり~とびれっじTōma』管理人の矢野 彩佳さんにお話を伺いました。
矢野さん:「当麻町は"ととのう町"として町おこしをしており、この『りとり~とびれっじTōma』以外にもキャンピングサウナバスを作ってレンタルするといった取り組みをしています。私が所属している会社は不動産事業を行っており、古民家を買い取り地域おこしをする際にサウナと組み合わせたら面白いのではと思い始めました」
ーー施設の名前にあるリトリートって言葉はあまり聞き慣れないのですが、どういう想いで名付けたのですか?
矢野さん:「リトリートは、仕事や人間関係など忙しい日常から離れて非日常を味わおうという意味合いで名付けました。施設にはカフェもあり当麻町の食材を中心に使用した料理も提供しています。自然の中にあるサウナに来て美味しいものを食べてリフレッシュしてもらえたら嬉しいですね」
左:アースバッグサウナ
右:バレルサウナ
ーー『りとり~とびれっじTōma』には大きく分けてアースバッグサウナとバレルサウナの2種類があるんですよね!
矢野さん:「そうですね!アースバッグサウナは土のうをドーム状に積み上げて外壁をコーティングする建築技法でして、サウナ室として活用しているのは珍しいのではないでしょうか。バレルサウナは木でできた樽型の建物のサウナです。12月にできたばかりで、入ってみるとほのかに木の良い香りがするんですよ」
ーーアースバッグサウナはすべて職人さんの手作りなんですか?
矢野さん:「職人さんを中心に手作りをしています。実はアースバッグ工法は一般の方でも製作に参加することができるので、当麻町に住むボランティアの方たちと一緒に作りました。ボランティアの中にはお子さんも参加してくれたので、当麻町のみなさんと一緒に作ったサウナ施設なんです」
今回、特別に少しだけサウナに入らせていただきました。
アースバッグサウナの熱源は薪と電気ストーブの2種類、バレルサウナは薪ストーブで暖めています。
薪で暖めたサウナは入浴施設ではあまりないので楽しみ!
今回はそれぞれ薪で暖めたサウナに入ってみました。
サウナ好きな編集Yはノリノリで水着とサウナハットを持参(笑)
水着の他にTシャツと短パンで入ることもできます。
まずは別名『北の洞窟』なんて呼ばれているアースバッグサウナに入ってみました。
いったん中に入ると真っ暗。
視界が見えないため、薪の良い香りが際立ちます。
次第に目が慣れて、まわりの物がぼんやり見えるようになってくるのですが、一般的なサウナに比べて照明が暗めのため、頭の思考を落ち着けてリラックスできます。
一般的なサウナは85℃~90℃の場所が多いのですが、アースバッグサウナの温度は70℃~80℃と熱すぎず、サウナに慣れていない人にオススメ!
バレルサウナは定員が4名までのコンパクトなサウナ室。
写真のように天井がアーチの形をしているので、ロウリュをした蒸気が一気に室内に周ります。
その体感温度はまるで熱波師に仰いでもらっているよう。
それもそのはず、バレルサウナは薪の量によって80℃~110℃にまであがります。
【ポイント】
・ロウリュとはサウナ発祥の地であるフィンランドのサウナ入浴方法で、ストーブの上で暖められたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させることです。
蒸気を発生させることで、サウナ室内の湿度・体感温度が上がり発汗を促します。
110℃のサウナを体験した編集Y、思わずこんな表情でした。
サウナの後は水風呂!
といきたいところですが、せっかくの野外サウナなので…
取材時は雪景色だったので、目の前の雪原にダイブしました。
男性なら子どもの頃に一度は、冬の露天風呂に積もった雪にダイブしたなんて人は多いのではないでしょうか?
水風呂と違って体の表面から一気に冷える感じが気持ち良いです。
まさしく雪国ならではの特権ですね。
※夏は水風呂があります。
さいごに外気浴♪
サウナ愛好家にとって重要なととのい椅子は、ナイロン製で仰向けで横になれるタイプ♪
横になれる椅子はサウナ専門の施設でしか見かけないので、置いてあるとテンションがあがります。
普通の椅子と比べて、頭がボーッとする感じやリラックスして力が抜けている感じが全然違います。
【ポイント】
・サウナ→水風呂に入ったあとに、ととのい椅子に座る、もしくは横になって休憩することでリラックスしていただけます。
サウナ→水風呂→外気浴を3セット前後するのがオススメです!
そしてこれから春から夏になると写真のように、のどかな田園風景が広がります。
この風景を見ながら外気浴とか開放感があって最高ですよね!
ぜひ『りとり~とびれっじTōma』に行って屋外サウナを体験してみてください。
店名:りとり~とびれっじTōma
住所:北海道上川郡当麻町北星2区5537-1
電話:080-3504-3577
営業時間:11:00~21:00
定休日: 月曜日、火曜日(祝日営業、振替休業あり)
駐車場:あり
続いては江丹別にある『ETANBETSU MARGINAL SAUNA(マージナルサウナ)』です。
2022年1月にオープンしたばかりの施設で、道外のサウナ愛好家の人たちからも注目を集めています。
江丹別は旭川中心部から車で約30分の場所に位置する町で、人口は270人。
コンビニ等はありませんが、自然豊かな地域です。
その江丹別に活気をつけようと活動されているのがオーナーの伊勢昇平さん。
ブルーチーズドリーマーという肩書きを持ち、伊勢さんが作ったブルーチーズがANAとJAL国際線ファーストクラス機内食に採用され、ご存知の人も多いのではないのでしょうか。
ーー世界一のチーズ作りに続いて、サウナを始めようと思ったキッカケってありましたか?
伊勢さん:「2年前からサウナが好きになり、道内のサウナ施設に行きましたが自分が1番理想とするサウナに出会うことが出来ませんでした。僕は江丹別で生まれ育ったのですが、この自然や雪とか寒さの中でサウナに入るのが理想だと思って作りました。『マージナルサウナ』と名前をつけたのも大自然や時間といった『余白を感じられるサウナ』を楽しんでもらいたいという思いで名付けました」
江丹別は夏は30℃、冬は-30℃以下まで気温が下がり日本一寒い地域としてニュースでも話題になっています。
豪雪地域でもあり取材時には、1日で雪が足のくるぶし位まで積もっており、屋根に積もった雪もすごい状態でした。
伊勢さん:「もうひとつは移住してきてくれた人の雇用する場所を作りたいというのがありました。若い人が移住してくれて、彼らを雇用する場所を作りつつ自分が理想とするサウナがつくれたらいいなと思い始めました」
ーー伊勢さんは江丹別を活気のある町にしたいという想いで『世界一の村をつくろうTV』というYouTubeチャンネルで江丹別の魅力を投稿されています。なぜ江丹別を世界一の村にしたいと思ったのですか?
伊勢さん:「僕は小さい頃、江丹別があまり好きじゃなかったんです。早く江丹別という町を出たいと思っていました。しかし大人になって色んな出会いのなかで、自分の父が絞った牛乳で世界一のチーズを作ろうと思い、夢を叶えることができました。そして他の人にとっても江丹別という場所が夢を叶えることができる場所にしたいと思って『世界一の村にする』というスローガンで始めました。そしたら活動を見てくれたレストランのシェフやパン職人といった方々をはじめ、移住して江丹別を盛り上げてくれる仲間が少しずつ増えてきました」
ーーサウナ室は室内全体が曲線を描いているんですね。
伊勢さん:「角が多いと熱が溜まりやすいので、室内をまんべんなくまわりやすいように設計しました。サウナの熱源は薪ストーブで、お客様はロウリュをすると細かい蒸気が出てくるみたいと言ってくださります」
ーーよくサウナ愛好家の方々はサウナ=前菜・水風呂=メインディッシュ・休憩=デザートなんて言いますが、水風呂もこだわりが詰まっていそうですね!
伊勢さん:「じつは水風呂のためだけにボーリングをして地下水を組み上げています。水温は年間を通して常に10℃なので、個人的に夏場に入るのが楽しみです。石風呂に使っている石もブルーシストという綺麗な青緑色が特徴的な石を使っているんですよ」
ーーウッドデッキは"外気浴スペース"になっているんですね。
伊勢さん:「江丹別は寒さ積雪量が道内でもトップクラスです。冬の時期には、この寒さの中で外気浴を楽しんでいただいたり、雪原にダイブして童心にかえるように楽しんでいただいてます」
ととのえスペースの目の前には江丹別の森が広がっていて、これからの時期、春から夏にかけて新緑の季節になって、キレイな景色になりそうですね!
ぜひ江丹別の大自然の中にあるサウナを体験しに行ってみてください。
店名:ETANBETSU MARGINAL SAUNA
住所:北海道旭川市江丹別町拓北217
営業時間:6:30~21:30
定休日: 月曜日
駐車場:あり
今回、初めて屋外サウナを体験してきたのですが、一般的な入浴施設のサウナとの1番の違いは外気浴でした!
入浴施設だと露天風呂には目隠しの塀がありますが、屋外サウナ施設だと目隠しはなく自然の景色が広がって開放感があります。
その中での外気浴はとても気持ちが良いです!
みなさんも大自然の中で『ととのえ』に行ってみてください。
asatanでは過去に旭川でサウナブームを盛り上げている3名の方にインタビューをしています。
気持ちの良いサウナの入り方も教えてもらっているので、ぜひコチラもご覧ください♪