憩いの場、拠り所として、人々と共に歩んできた寺院。幾度の大火に見舞われながらも由緒や貴重な文献、
寺宝が地域との深いかかわりや、文化、歴史を今に伝えています。もっと身近に感じられる”お寺”をハコラク編集部がご紹介します。
1633年に亀田村(現・亀田町)に堂宇を立てたのが始まり。幾度の災害に見舞われたことと、布教に活路を開くために箱館(現在の姿見坂下)へ1706年に移り、その後も戊辰戦争に巻き込まれ延焼するなど度重なる火災や災害を避けるため1879年に現在の場所へ。本堂をはじめ、境内の建造物10件が国の指定登録有形文化財。
総ケヤキ造りの本堂は威風堂々とした佇まい
太いケヤキの柱39本を使った重厚感あふれる内部は、欄間などの装飾もとても美しい。
地域との関わりを大切に親しみやすい場所に…さまざまなイベントを企画開催!
本堂のほか各所に、より詳しい特別案内や、髙龍寺に関するクイズを見られる二次元コードが掲示されており、
参拝者のみが楽しめるコンテンツも工夫されています。
【曹洞宗 国華山 髙龍寺】
函館市船見町21‐11
☎0138‐23‐0631
寺務所9:00~16:00
無休 P有り
函館新聞電子版:国華山髙龍寺
1644年、亀田村(現・函館市八幡町付近)に庵を建立して携えてきた阿弥陀如来像を祭ったのが始まりで
亀田川の頻発する氾濫を受け、1708年に箱館(現・弥生町付近)へ移転。
函館の歴史に大きく関わりを持つ
箱館開港当初はイギリスやフランスの領事館として利用され、箱館戦争時には新撰組副長・土方歳三の
市中取締役就任に伴い箱館警備の任に就いた「新撰組屯所」が置かれていたそうです。
境内には土方歳三ら新撰組隊士の供養碑や高田屋嘉兵衛など多くの著名人の墓があり、
参拝者が花を手向けに絶えず足を運んでいます。
【浄土宗 護念山 摂取院 称名寺】
函館市船見町18‐14
☎0138‐23‐0574
寺務所8:00~17:00(冬期間は16:30まで)
無休 P有り
函館新聞電子版: 称名寺
1668年、松前の専念寺6世浄玄が、現在の木古内町に阿弥陀堂を創設したことが始まり。北前船による北陸方面との行き来で海上交通が盛んになり、利便性の高い港として賑わいを見せる箱館(現・函館市弥生町)へ1710年に移転。
変わりゆく函館の歴史とともに歩み続けながら何度も大火に見舞われ建物を焼失するも1915年、度重なる火災を嘆いた当時の門徒総代・渡邉熊四郎の提案で耐火性の高い鉄筋コンクリートを用いて建設。細やかな和風建築をコンクリートで表現した本堂は100年以上たった今でもひび割れが少なく、建築史資料としても価値が高いといわれています。
本尊と御真影が並列に安置されている内陣。
「並立奉安(へいりつほうあん)」といわれる様式で、真宗寺院としては、同院と東京浅草・坂東報恩寺が有名。
さまざまな活動を通して地域との触れ合いを大切にし、
大晦日には誰でも除夜の鐘がつけるなど門戸を広く開いています。
【真宗大谷派 函館別院】
函館市元町16‐15
☎0138‐22‐0134
寺務所7:00~17:00
無休 P有り
函館新聞電子版: 真宗大谷派 函館別院
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