みなさんは、留真(るしん)温泉という名湯をご存知でしょうか?道内トップクラスのアルカリ性の泉質で、美肌によい良質な温泉として評判です。
温泉通なら一度は行きたいこちらの秘湯、札幌から車で4時間強、十勝の浦幌町にあります。
自然豊かで酪農や林業が盛んな浦幌町は人口およそ4,400人。過疎化でピーク時の4分の1に人口が減る一方、一人暮らしのお年寄りの割合は増え続けています。地元経済の衰退、公共交通機関の縮小などで、お年寄り自ら買い物に出かけることが難しくなり、町は「買い物難民」の問題に頭を悩ませています。
お年寄りの買い物を少しでもサポートしたい。そして、地元商店街の知られざる魅力を地元の人たちに改めて知ってもらいたい。去年5月、ご当地限定ショッピングチャンネル「浦幌テレビ」を立ち上げるプロジェクトがスタートしました。
北海学園大学とHBCが連携して設けた「もんすけラボ」(※1)の活動の一つで、地元で持続可能な地域づくりに取り組む「十勝うらほろ樂舎」とタッグを組みました。
半年間に及ぶ準備期間を経て、去年10月、北海学園大学経済学部・西村宣彦(のぶひこ)ゼミの学生8人を中心に、町内4軒の店を取材。
スーパーや衣料品店、文具店のおススメ商品を紹介する、シニア世代向けのショッピング動画が完成しました。
初々しさがありつつも、テレビのリポーター顔負けの商品紹介です。
そして、コメディタッチの寸劇もありと、なかなかの力作ぞろいです。
当初は、プロジェクトに協力していただくお年寄りが、自宅で動画を視聴し、商品を注文。学生が配達し、交流も深める予定でしたが…新型コロナウイルスの感染拡大で、残念ながら取りやめに。代わりに、お年寄りの生活をサポートする地元の福祉関係者に動画を見てもらい、今後に向けた意見交換をしました。
「お年寄りは店まで足を運ぶのが大変なので、動画で商品を見て選べるのは助かる」
「地元のお店に行く機会が減っていたので、新鮮だった」
「70代、80代が対象であれば、手元にチラシもあった方が分かりやすい」
「自分で商品を持ち帰ることが大変なので、配送はやはりしてほしい」
様々な意見や要望を受け、このプロジェクトをさらに継続・進化させようと、関係者が次なる展開を検討中です。
今年1月にまとめた報告書の中で、動画制作に奮闘した学生の皆さんは、こう締めくくっています。
「一つ一つは小さな取り組みでも、実際にやってみると 新たな発見があり、それを積み重ねていくことで、地域のニーズやそれに応えるサービスの発見・改善につながっていく。それが結果として『持続可能な地域づくり』になると考えています」
※1:もんすけラボ
HBCと北海学園大学が2019年に開設した若年層向け協創型メディアシンクタンク「北海道次世代メディア総合研究所」の愛称。学生・教員とHBCスタッフがアイデアを出し合い、実践活動につなげています。
※2:各商品は、去年10月の取材時点で販売されていたものです。現在の取り扱いについては、各店舗に直接お問い合わせください。
Sponsored by 一般社団法人 十勝うらほろ樂舎