2022.03.16

出かける

好奇心のままに大騒動を巻き起こす!大人も子どもも夢中になっちゃう『ノラネコぐんだん』の魅力に迫る

淡々とした表情に、ぽってりと黄色い体。その名も「ノラネコぐんだん」。絵本作家 兼 漫画家の工藤ノリコ先生が描く累計200万部を突破した人気絵本シリーズです。
好奇心旺盛な8匹のノラネコたちが巻き起こす、ドタバタストーリー。クスッと笑え、ときに勇気をもらえる作品として、子ども達からはもちろんのこと、年代を問わず多くの層から支持を得ています。

そんな大人気「ノラネコぐんだん」シリーズを中心とする原画250点や映像を展示する展覧会が、2022年3月23日(水)より、北海道・大丸札幌店で開催されます。開催を記念して、今回は特別に、本作品のシリーズを手掛けた、白泉社・kodomoe編集部の森綾子さんへのインタビューを実施しました。
大人も子どもも夢中になっちゃう「ノラネコぐんだん」の魅力のヒミツとは…!?ファンの人はもちろん、まだ見たことがないという人も、ぜひチェックしてみてくださいね♪

おさらい「ノラネコぐんだん」って?

「ノラネコぐんだん」は、工藤ノリコ先生が描く累計200万部を突破した人気絵本シリーズ。ノラネコたちがパン工場やラーメン屋さんに忍び込んで大騒動を引き起こしますが、毎回「ドッカーン!」と大爆発。

「わるいことをしたとおもいますか」
「おもいます ニャー」

最後は経営者のワンワンちゃんに説教されるのがお約束の展開。素直でちょっととぼけたところが愛らしく、なぜか憎めないキャラクターです。

『ノラネコぐんだん パンこうじょう』より

ストーリーも楽しいノラネコぐんだんですが、その場の空気感や匂いがリアルに伝わってきそうな絵も魅力の一つ。パンの形や道具、お客さんの服装や表情など、毎回新しい発見があるので何度見てもワクワクしてしまいます。

子どもはもちろん、読み聞かせをしているうちに大人もハマってしまうこともあるんだとか。幅広い世代に愛される理由はどこにあるのでしょうか。

『ノラネコぐんだんコミック』より

「ノラネコぐんだん」シリーズを担当する、kodomoe編集部の森綾子さんにお話をうかがいました。

「名脇役」から「主人公」へ・・・!ノラネコぐんだんシリーズが誕生したきっかけ

——ノラネコぐんだんの絵本が誕生したきっかけを教えてください。

ノラネコぐんだんは、茨城県の就職情報誌で1998年から連載されていた、「がんばれ!ワンワンちゃん」という4コマ漫画から生まれたキャラクターです。いろいろな職場で一生懸命に働くワンワンちゃんのところに、ニャーニャー言いながら現れては邪魔をしていく、名脇役として活躍していました。

その後、絵本の雑誌「MOE」の親子向け版として、育児誌「kodomoe」を創刊することになりました。その雑誌(当時は前身の「こどもMOE」という名前でした)の付録として、長年親交のある工藤ノリコさんに絵本の描きおろしをご依頼したんです。

『ノラネコぐんだん ラーメンやさん』より

以前から、工藤さんが手塚治虫さんの『ユニコ』(大判のカラー漫画)が好きだったり、「絵本と漫画が融合したような作品に興味がある」という話をされていました。たしかに、工藤さんは絵本作家でもあり漫画家でもあるので、「絵本のような漫画」や「漫画のような絵本」を作ってみるのはおもしろいかもしれないと思っていました。その後打ち合わせを重ねるうちに、「がんばれ!ワンワンちゃん」に登場していたノラネコぐんだんを主人公にした絵本はどうだろう?という話になっていったと記憶しています。

そんなこともあって、工藤さんの絵本の中でも、起承転結がはっきりしていて、漫画的な雰囲気のあるシリーズだと思います。弊社(白泉社)は漫画がメインの出版社なので、社風とも合っていた気がします。社員にもファンが多いんですよ。

『ノラネコぐんだん カレーライス』より

『ノラネコぐんだん パンこうじょう』で工場が爆発し、寝ていたワンワンちゃんとマーミーちゃんが爆音にびっくりして布団ごと跳ねるシーンの絵なども、絵本ではあまり見られないような漫画っぽい表現になっていたりして、そんな視点でこのシリーズを読んでみるのもおもしろいと思います。

「声に出して読んだときの心地よさ」「大人も共感できるキャラクター」子どもも大人にも支持される、ノラネコぐんだんの魅力のヒミツ

——ノラネコぐんだんのどんなところが支持されていると思いますか?

最初に付録絵本になった途端、ものすごい大反響をいただいて、うれしい驚きでした。2・3歳ぐらいからの読者を想定していましたが、読者アンケートに「我が家の0歳児が「『ドッカーン!!』の爆発シーンでキャッキャと笑い転げています」と書かれていたりして、さらにびっくり。理屈でなく、体で楽しめる作品なんだなと。私も息子にたくさん読み聞かせをしましたが、「もう1回!」とせがまれて自分もうれしくなる作品代表が、このシリーズでした。工藤さんが、読み聞かせるときの心地よさも考えて文章を練り上げていることが、実際に声に出してみるとよくわかります。

また、巡回中の「ノラネコぐんだん展」にはファミリーでお越しくださる方も多いのですが、「親御さんはあくまで付き添い」という感じではなく、お子さんに勝るとも劣らない熱量で原画を鑑賞しグッズを買ってくださる方もたくさんいて、そんな場面を見かけると思わず握手しに行きたくなります(笑)。特に2018年にフィギュアを発売してからは、大人の男性ファンも急激に増えたと思います。フィギュアを作ってくださっているケンエレファントの担当者も、ノラネコの熱狂的な男性ファンのひとりです。

大人の方には、ノラネコだけでなく「大人代表」のようなキャラクターであるワンワンちゃんも人気です。グッズでは、にわとり型ロボットのマーミーちゃんも「かわいい!」とヒット商品になっています。キャラクターたちがそれぞれに支持されているというのは、「キャラクターを立てる」ことが重視される「漫画」発のキャラクターだからなのかもしれません。

『ノラネコぐんだん ケーキをたべる』より

——累計で200万部を突破しているそうですね。大ヒットの理由は、どんなところにあると思いますか?

第1作刊行当初から、全国の書店員のみなさんが「好きです!」と推してくださったことが、とても大きかったと思います。こちらからお願いせずとも、愛あふれるディスプレイでコーナーを作ってくださる書店さんがたくさんありました。「MOE絵本屋さん大賞」をはじめ、書店員さんが選ぶ数々の絵本賞でも上位にランクインすることができ、先日いつのまにか200万部を超えていました。

ノラネコぐんだんの「これから」

——シリーズの今後の予定について、教えてください。

このシリーズには、ノラネコぐんだんが思いのままに行動したら「ドッカーン!!」と爆発してしまい、ワンワンちゃんに怒られて正座で反省……というお話の「型」がありますが、第1作の『パンこうじょう』を作っているときは、この形を続けることはまったく考えていませんでした。

『パンこうじょう』の反響が大きく、特に爆発シーンが大人気だったので、2作目の『きしゃぽっぽ』でも同じ展開にすることにしました。すると、「同じ展開なのにおもしろい!」「同じ展開だからこそおもしろい!」とまた反響をいただいて、その後もこの「型」を踏襲することになりました。工藤さんは常々、映画の「寅さん」のようなシリーズを目指したい、とおっしゃっています。「『寅さん』も、同じ『型』の展開で50作まで続いて、どの話もおもしろい」と。今後も長くシリーズを続けていけるよう、工藤さんを全力でバックアップしていきたいと思っています。

今年はノラネコぐんだんの絵本が誕生してちょうど10年。工藤さんは今、新作絵本『ノラネコぐんだん うみのたび』を制作中です。客船の断面図など細かい構図も多く、描き込みにも時間がかかっているそうですが、10周年にふさわしい、楽しい仕上がりになりそうです。雑誌「kodomoe」での10周年記念大特集や、限定付録付きの公式ファンブックの発売も予定していますので、そちらも楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。

——森さん、ありがとうございました!

おしらせ:「ノラネコぐんだん」が大丸札幌店にやってくる!ノラネコたちと写真を撮れるスポットも!

2022年3月23日(水)より、大丸札幌店で「ノラネコぐんだん展」が開催されます。
ノラネコぐんだんシリーズの絵本原画約250点や映像のほかにも、入り口外には『ノラネコぐんだん いろいろさがしえブック』やはんせいポーズのノラネコたちと写真が撮れるフォトスポットも登場!さらに会場では新商品を含むオリジナルグッズも販売されるみたいです。春休みの開催なので、ぜひこの機会に親子で訪れてみてはいかがでしょうか?

【開催概要】
展覧会名:工藤ノリコ 絵本作家20周年記念 ノラネコぐんだん展
会期:2022年3月23日(水)~4月4日(月)

【開場時間】
午前10時~午後8時(入場は午後7時30分まで)
(最終日は午後6時まで・入場は午後5時30分まで)

【会場】 大丸札幌店(札幌市中央区北5条西4丁目7番地)
HP:https://dmdepart.jp/museum/sapporo/noranekogundan/
一般 800円(600円)
高大生 600円(400円)
小中生 400円(300円)
未就学児無料
※( )内は前売料金および大丸・松坂屋のクレジットカード、大丸・松坂屋アプリ会員のサファイアランク以上、大丸松坂屋友の会カード、ブライダルサークル会員証をお持ちの方の優待料金です。

主催:ノラネコぐんだん展実行委員会/白泉社、大丸松坂屋百貨店
特別協力:HBC北海道放送
協力:あかね書房、偕成社、学研プラス、教育画劇、玄光社、佼成出版社、小学館、PHP研究所、プロンズ新社、文溪堂、ほるぷ出版、
理論社
後援:札幌市

※前売券は、全国のローソン・ミニストップ設置Loppi(Lコード:12582)で、2月1日(火)から3月22日(火)まで販売いたします。
ローソンチケットURL:
http://l-tike.com/event/noranekogundan-ex

※3月23日以降は、当日料金となります。
※状況により営業日や時間、展示内容等に変更が発生する場合がありますので、ご了承ください。

※詳しくは大丸札幌店ホームページをご覧ください。
https://dmdepart.jp/museum/sapporo/noranekogundan/

***

文: Sitakke編集部 学生ライター・莉久
編集:Sitakke編集部 なべ子

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • twitter
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • twitter