2022.03.18

暮らす

冬の空気vs 春の空気がバトル!? この時期ならではの季節の変化に要注意です#気象予報士コラム

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。空から降る雪に雨がまじるようになり、冬の終わりが近づいてきています。

実は、季節の変わり目は「危険な低気圧」ができやすいのです。

冬の空気と春の空気がバトル!?危険な低気圧に要注意

北海道ではこれからの季節、高気圧と低気圧が交互に通過することが多くなります。高気圧に覆われると晴れて、低気圧が近づけば雨や雪が降る。短い周期で天気が変わるので、「春に三日(みっか)の晴れなし」と言われるのも、このことからです。

低気圧は、暖かい空気と冷たい空気(2つの性質の異なる空気)のぶつかり合いで発達し、気温の差が大きいほどより発達します。

雪解けも始まる季節ですね。

季節の変わり目であるこの時季は、まだ粘りを見せる冬の空気(冬将軍)と、雪をとかそうとする春の空気(春の妖精)との間で熱い戦いが繰り広げられることで、危険な低気圧が生まれるのです。

冬将軍VS春の妖精イメージ(イラスト作:児玉気象予報士)

春先の危険な低気圧で起こる現象の一つとして、太平洋側のドカ雪があります。
1970年3月16日、発達した低気圧が北海道の南を通過。
低気圧が北から冷たい空気を引き込み、低気圧の進路に近い太平洋側では記録的なドカ雪になりました。
帯広では1日で降った雪の量が102センチに達し、道内の観測史上一番の大雪になりました。

一方、低気圧が南から暖かく湿った空気を引き込むこともあります。雪解けの遅かった2012年の5月4日、急速に発達した低気圧の影響で、急激に気温が上がり、胆振地方の登別市カルルスでは、一日で285.0ミリの雨が降るなど記録的な大雨になりました。融雪水が大量に地下に浸透していたところに大雨が降り、国道230号線の中山峠では土砂崩れが発生。
およそ20日間にわたり通行止めになるなど大きな被害をもたらしました。

大雨を降らせた低気圧が通過した後は、冬型の気圧配置となり、一気に季節が戻り、大雪や吹雪になるということも多々あります。オホーツク海側では、気温が上がって開花した桜の花に、翌日雪が積もったというニュースになることもよくあります。

天気や気温の変化が目まぐるしいこれからの時季、天気予報では「週間予報」がより重要になります。洗濯のタイミングや移動の参考に。また、冬服にするか春物にするか服装選びやクリーニングに出す日の目安にもしてみてくださいね。

詳しい週間予報はコチラから見ることができます。

https://www.hbc.co.jp/weather/h_weekly.html

***

児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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