2022.03.12
深めるおそろいのセーターを着て、見つめ合う2人!
手に持っているのは、お腹の中にいる赤ちゃんのエコー写真です。
「実は、赤ちゃんができました」
2021年9月、当時入社3年目の記者だったわたしは、2人から電話で報告を受けました。2人とはそれまでに、1年ほど交流がありました。幸せな知らせに、こころから祝福する気持ちと、「しっかり取材し、伝え続けなくてはいけない」という、責任に近い気持ちが湧いてきました。
なぜなら2人は、「こころが男性どうし」のカップルとして生活しているからです。
左は「きみちゃん」、29歳です。からだは女性、こころは男性のトランスジェンダーです。「男女関係なく好きになった人が好き」と話しています。
右は「ちかさん」、32歳です。からだは男性、こころは男性ですが、日によって女性寄りの日もあって、好きになるのは男性だけです。
からだが女性の「きみちゃん」のことは、「ひとりの人間として優しいし、頼りになるというところで好きになった」「性別は意識していない」と話しています。
こころは男性の「きみちゃん」が、妊娠や出産という「女性のもの」とされてきた経験を通し、何を感じていくのか。
「こころが男性どうし」のカップルの出産を、まわりはどのように支えていくのか。
そして、性別にとらわれない2人による子育ては、どのようなものになっていくのか。
「LGBT」や「性の多様性」という言葉をよく見聞きするようになった今、2人の姿を多くの人に伝える必要があると感じました。これから連載「忘れないよ、ありがとう」でお伝えしていきます。
連載「忘れないよ、ありがとう」
■こころが男性どうしのふうふと、新しい命を見つめた連載「忘れないよ、ありがとう」