2026.09.21
深める
北海道の胆振東部地震から8年。最大震度7を観測した厚真町では、いざというときに支えあえるよう、住民どうしのつながりを結び直す取り組みが始まっています。
地震で崩れた山肌が残る厚真町の富里地区で8月下旬、ささやかなマルシェが開かれました。トマトやナスなど地元でとれた新鮮な野菜がたくさん並んでいます。
会場では「久しぶり!体調よくなった?」といった、町民どうしのやりとりが交わされています。
友人どうしの何気ない世間話。それだけで自然と笑顔があふれます。
マルシェを開いた住民団体をサポートしているのは、生活支援コーディネーターの村上朋子さん(55)です。人びとが楽しく語らう様子に地域づくりの手ごたえを感じていました。
「富里地区は苦しい場所だった。でもその苦しい場所にみんなが戻り始めて、集い・笑いがあって、すごいことだと感じる」と、村上さんは語ります。

8年前の9月6日に起きた胆振東部地震。
厚真町では最大震度7を観測し、災害関連死を含め37人が犠牲となりました。
当時、災害ボランティアセンターで、高齢者らに必要な支援を調整する役割を担っていた村上さん。
地域で暮らす人が幅広く交流できる機会が昔よりも少なくなっていると感じていました。
「地域に関わる仕事をしていたとき、自治会が機能しなくなるのを肌で感じ、地域のつながりは実はもうないと思っていたところに地震が起きた」と、村上さんは振り返ります。
改ページ:次の災害に、生かされた絆

地域のつながりをもう一度、作り直そう。
村上さんたちは壊れた3つの集会所を統合してできたコミュニティーセンターで、茶話会やハンドマッサージ体験などの活動を始めました。
住民が特技を生かして先生役を務めます。
今回のマルシェもこうした交流の一つです。
「特別なことをするのではなく、日々の暮らしの中で誰かとつながる。ちょっとこういうことをやろうと何かが生まれていく。その1つが『ならやまマルシェ』」と、村上さんは話します。
町民からは「以前はこういう取り組みはなかったので、災害は非常に悔しいがこういったつながりはありがたい」という声が聞かれました。

住民どうしのつながりは、2025年7月に起きたカムチャツカ半島近くの巨大地震でも生かされました。
「カムチャツカのとき揺れて、みんな気になる人のところに声かけしていた。あのときの教訓は、日ごろの生活の中に根づいていると実感した」と、村上さんは話します。
8年前の地震で大きな傷を負った厚真町。
いざというときに助け合える地域づくりが住民自身の手で進められています。
取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年9月4日)の情報に基づきます。
■ 「ピカフルーツ」と呼ばれていたに違いない!ふわふわ・まんまるなエゾナキウサギを見て思うこと 【写真4枚・北海道のかわいい動物たち②】
パートナーメディア