「毎日なんとなく忙しく、時間だけがただ過ぎている……」そんな気持ちで、もやもやしながら過ごしている方は少なくありません。
変わりたい!と思っているけれど、自分が何をしたいのかもわからない……。
今回は公認心理師の筆者が、そんな方に知ってもらいたい3つのことをご紹介します。
小さいときからの夢をかなえた。そういう人は「すごいね!」と評価されることが多いものです。
早いうちに自分が好きなことを見つけ、目標に向かって努力した人は確かにすばらしいです。
でも、なかなかやりたいことがなかなか見つけられずに、もやもやした気持ちを抱えつつ、日々やらなくてはいけないことをこなし、やりたくないなと思うことを頑張っている人もえらいと思いませんか?
やりたいことをやる。やりたくないことをやる。どちらが大変でしょうか?
答えは簡単です。やりたくないことをやる方が大変ですよね。
だから、やりたいことが見つからない自分をダメだなと思うよりも、やりたくないことも頑張っている自分をまずは認めて、褒めましょう。
「今の自分ではいけないような気がする……」そう訴える方は少なくありません。
まず本当にいけないのか。本当に自分が変わりたいと思っているのかを考えてみましょう。
なんとなく変わらなくてはいけないと思ってはいませんか? “変わらなくてはいけない”と“変わりたい”とでは大きく違います。
周囲に影響されて変わることが良いことだと思わされていたり、誰かに「あなたはダメだ」とか「弱い」指摘されて自分はダメだと思い込んだりして、変わらなくてはと思ってはいませんか?
他の誰でもなく、あなた自身が変わりたいと思っているかを確認してみましょう。そのうえでどういう風に変わりたいのかということを考えましょう。
もし、どういう風に変わりたいのかがわからないなと困ったら、焦ることなく、楽しみながら、自分がどうなりたいのかということを考えていきましょう。
「自分がどうなりたいのか?」を考えたけどよくわからない……と途方に暮れる方もいるでしょう。困る必要はありません。
そういうあなたはきっとこれまで周囲の人を大事に、相手の気持ちや都合を優先させてきた優しい人です。ゆっくりと、自分の言動の軸を他人から自分に戻す練習をしましょう。
「どうなりたいか?」を決めるのはちょっと難しいなと思う方。日常の中での「want」を探してみてください。
「食べたいと思うもの」「欲しいなと思う小物」そういうところから始めます。少し慣れてきたら、お休みの日の朝、自分の心に「今日は何をしたいかな」と聞いてみてその通りに動いてみましょう。
まず“want”を探す。そして、その“want”の通りに動いてみます。こうやって小さな“want”を見つける練習を積み重ねると、自分の軸で動けるようになっていきます。
つい人は大きな変化を求めます。今やっていること、できていることを軽んじてしまい、ガラッと状況を変えなくてはと思い込み、それができない自分を責めがちです。
でも大きな変化よりも小さな変化の積み重ねのほうが、リバウンドがなくて本質的な変容であることが多いものです。これはダイエットと同じです。
気づかないほどの小さな変化をきちんと認める。ちょっとだけ変えてみた、いつもと違うことをしてみた自分をきちんと認めて、その変化に慣れてから次の変化を待ちましょう。
その時に大事にしてほしいことは自分軸。他人の価値観に合わせる、振り回されるのではなく、自分の軸で考え、その気持ちを優先させていきましょう。
結果として、やりたいことができている日々を手にすることができると思います。
文:竹原久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務)
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