寅年と言えば、おびひろ動物園のネコ科・アムールトラ「マオ」を忘れちゃいけません!
マオの素顔について、おびひろ動物園の獣医師 小林紗央梨さん(担当:トラ、リスザル)に教えてもらいました。
しなやかで美しい体に、ときおり見せる無邪気な表情や仕草。おびひろ動物園の人気者「マオ」は8年前、東京の多摩動物公園からやって来た。2010年の寅年、七夕に生まれた〝乙女〞。帯広には繁殖を目的に動物園間で貸し借りする「ブリーディングローン」で迎え入れている。
マオは遊ぶことが大好きで、活発だ。獣舎内のプールに浮かぶおもちゃでじゃれたり、獣舎越しに来園者を追ってついて来たり…。一方、繊細な面もあり、毎日4〜7kg与える馬肉は「土が付くと食べようとしません」と、飼育担当の小林紗央梨さん。風も嫌いで、強風の日は展示場に出て来るのをかたくなに拒む。観察するときは、ストレスを与えないようそ〜っと見守って。
野生はロシア極東地方の針葉樹林などに生息するが、森林伐採や密猟で、今は絶滅危惧種に指定される。来年は寅年。「いつか居なくなってしまわないよう、考えるきっかけになれば。マオと来園者の皆さんにとってよい一年になるとうれしいです」と小林さん。さぁ、2022年はマオに会いに行こう。
【おびひろ動物園のトラ歴】
1963年の開園年には、ベンガルトラのタケル(雄)とヒロコ(雌)を飼育。これまでシベリアトラやアムールトラも合わせて、10頭近くを展示してきた。現在のトラ舎は78年に完成。マオは全国のトラとの繁殖計画を見据えつつ、施設の狭さや老朽化といった課題を抱えながら飼育されている。
住所:帯広市緑ヶ丘2
電話:0155-24-2437
冬期開園:2月27日までの土・日曜、祝日、11:00~14:00
公式サイト:https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo/
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※フリーマガジン「Chai」2022年1月号より。
※撮影/辻博希(メイン写真のみ)。写真の無断転用は禁じます。