2022年、事件事故に遭わない1年を送るために、知っておきたいことを、去年の重大ニュースから考えます。
HBCが連携(※1)している、北海学園大学の学生へのアンケートで、「じぶんごとニュース」で取り上げてほしいテーマを聞いたところ、最も多かったのは「地下鉄での身の守り方」でした。
去年10月、東京の京王線の車内で乗客が男に刺されるなどした事件は、道民にも不安を与えました。“動く密室”地下鉄では、どうやって身を守ればいいのでしょうか。
札幌市営地下鉄では、去年11月、学生の利用が多い東豊線から巡回を徹底していました。
年末には、札幌市交通局の職員と警察官150人ほどが、非常事態が起きた場合の対応訓練をするなど、警戒が続いています。
訓練は、地下鉄の車内に刃物を持った不審者が現れ、ホームの柵と車両のドアがずれた状態で緊急停止したという想定で行われました。速やかな乗客の避難誘導と、不審者の確保がポイントです。
緊急停止した直後、手動で開けた扉から乗客の避難が始まりました。同時に駅員がホームの柵を一斉に開けます。
別の駅員が、取り残された乗客を見つけ誘導。
駆け付けた警察官が刃物を持った不審者を確保し、訓練は終わりました。
札幌市交通局は、地下鉄の車内で不審者などを見つけた時は、1両に3か所設置されている「非常通報装置」で、運行を管理している指令所に状況を伝えて欲しいと呼びかけています。
そして係員の指示に従い、非常用ドアコックを開け、赤いレバーを手前に引いて脱出することになります。
駅のホームのドアが開いていない場合は、ホームの柵の線路側にある「非常解錠ボタン」を押して手で開けなければなりません。
札幌市交通局は、「事故や事件でなくても、車内急病人など係員の手助けが必要なときは、ちゅうちょなく押してください」と呼びかけています。
次の駅に停車するまでの間、車内での避難を余儀なくされる地下鉄での事件。札幌市や道警が警戒を強める中、地下鉄を利用する私たちも、まずは「非常通報装置」を覚えておくところから、身の守り方を考えてみませんか。
※1:もんすけラボ
HBCと北海学園大学が2019年に開設した若年層向け協創型メディアシンクタンク「北海道次世代メディア総合研究所」の愛称。学生・教員とHBCスタッフがアイデアを出し合い、実践活動につなげていて、アンケートもその一環で行っています。
※掲載の内容は取材時点(2021年12月)の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、最新の情報は各施設にお問い合わせください。
連載過去記事一覧:じぶんごとニュース
協力:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
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