2021.12.23

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【おすすめ絵本】2022年は寅年!大人も子どもも楽しめる「トラの絵本」4選

子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」であるHBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち さやか)がご紹介します。2022年の干支は“寅”ということで、今回のテーマは『トラが登場する絵本』!厳選した4冊をピックアップしました。

トラが出てくる絵本(1)『おちゃのじかんにきたとら』(童話館) 作:ジュディス・カー 訳:晴海耕平

【あらすじ】ある日、ソフィーとお母さんがお茶の時間にしようとしていると…、「ごめんください。ぼく とても おなかが すいているんです。おちゃのじかんに ごいっしょさせて いただけませんか。」と毛むくじゃらのとらがはいってきます。そこでお母さんは言います「もちろん、いいですよ。どうぞおはいりなさい」ふたりは次々に食べものをすすめ、それを、とらはぜんぶ食べてしまいました。家じゅうの食べ物も飲み物もなくなってしまうまでです!(童話館ホームページより)

『おちゃのじかんにきたとら』は英国で1968年に出版されたロングセラー作品。日本では1994年に翻訳されました。アフタヌーンティーと言えば、英国の大切な習慣です。まさにこの絵本は、英国らしく上品で紳士的なイメージの物語。そしてとにかく面白い!

ソフィーもお母さんも、腹の減ったトラを怖がらず、すぐに受け入れ、おもてなしします。子どもであるソフィーは、家中のものを食べ尽くすトラをうっとりした様子で見つめています。トラは言葉遣いが上品で、「すてきなおちゃのじかんをありがとう。そろそろおいとまします。」と丁寧な言葉で挨拶をして帰っていきました。

そのあと帰宅したお父さんは、自分の夕ごはんがなくなっていることに驚きもせず、「レストランへいこう」と素敵な提案をするのです。そしてソフィーとお母さんは、またいつトラが来ても大丈夫なように、食べ物をたくさん買ってトラを迎え入れる準備をしました。

人懐こいソフィーと、懐の深いお母さんと、おおらかなお父さんが揃った、“普通だけれど普通ではない”完璧な家族の物語。
筆者は、尊敬しているアナウンサーの先輩から教えていただいた「本当の強さとは優しさである」というという言葉を思い出しました。大人になると、怖そうな人やマナーが悪い人を見ると敬遠しがちですが、ソフィーたちのように「トラ=怖い」という先入観を持たず、“受け入れる気持ち”も持ち合わせられたら素敵ですよね。

トラが出てくる絵本(2) 『とらのことらこ』(小学館) 作・絵:きくちちき

【あらすじ】危険がいっぱいのジャングルにすむ虎の親子。虎の子とらこは大好きな親虎の真似をして、一生懸命えものをとろうとしますが、小さいとらこは失敗ばかり。そんなとらこを親虎は、とらこ、とらこ、といつも呼びかけ、温かい目で見守っています。いつまでも、手のかかる子どもに、愛情いっぱいで接する親虎。でもとらこは、確実に成長していました。(小学館ホームページより)

作者のきくちちきさんは、北海道・十勝の本別町生まれ。2012年に作家デビューすると、翌年に世界的な絵本原画展で受賞し、瞬く間に人気絵本作家への階段を駆け上りました。きくちちきさんの大ファンだという絵本専門店「ちいさなえほんや ひだまり」の店主・青田正徳さんも、「今月の絵本通信Vol.2」「SitakkeTV#12」で作品を紹介しています。人間の親子も、手のかかる我が子が次第に自立して色々なことを一人でやろうとしているとき、“見守ること”や“”褒めてあげること”を大切にしようという気持ちが出てくると思います。3歳の息子がいる筆者としては、とらこの成長が自分の息子と重なり、成長を喜ぶ気持ちと、自分の手を少しずつ離れていく寂しさが、じわじわと心に染みます。

トラが出てくる絵本(3)『だるまちゃんととらのこちゃん』(福音館書店) 作・絵:加古里子

【あらすじ】だるまちゃんの友だちのとらのこちゃんは、とらの町のペンキ屋さんの子どもです。ふたりは黄色と赤の土でペンキを作り、町中の道路や壁にきれいな模様をどんどん描いていき、調子にのってタクシーの車体にも塗ってしまって大目玉。ところがそのことから本当にペンキで絵を描く仕事をすることに……。子どもの大好きな泥遊びやいたずらがきをモチーフにした、だるまちゃんの絵本第4弾。(福音館書店ホームページより)

加古里子(かこさとし)さんと言えば『からすのパンやさん』でも有名な作家 です。『だるまちゃんととらのこちゃん』は大人気「だるまちゃん」シリーズの中の1冊で、1984年に発行されました。子どもの思いがけない発想に、大人がハッとさせられることがあります。だるまちゃんたちがやっていた遊びも、見つかってしまって大人たちから怒られるのかと思いきや、町じゅうから絶賛され、お父さんも鼻高々。子どものときの自由な発想を持ったまま大人になれたらどんなに幸せなことだろうと思わせてくれる物語。常識にとらわれず、日常を自分らしいカラーで彩っていきたいものですね。

トラが出てくる絵本(4)『たいくつなトラ』(福音館書店)文:しまむらゆうこ 絵:たるいしまこ

【あらすじ】猫が弟子入りしました。憧れのトラになるために、子猫はひたむきに修行に励みます。子猫との修行を楽しんでいたトラでしたが、ある日、木にのぼった子猫の誇らしげな姿をみていらだち、つい意地悪してしまいます。日々成長する子猫と、自分には何の成長も変化もないことから愛弟子に冷たくしてしまう、ぬいぐるみのトラの関係を見事に描き上げた作品です。(福音館書店HPより)

トラはトラでも、この絵本に出てくるトラはぬいぐるみ。いつもショーウィンドーから外を眺めるだけのたいくつな時間を過ごしていましたが、目の前に現れるようになった子猫のおかげで楽しい時間を手に入れます。子猫は憧れのトラに修行をしてもらうことで、少しずつたくましく成長していきます。 “大きなトラ”と“小さな猫”には、ある共通点がありました。それは、いつも独りぼっちで寂しい思いをしているということ……。お互いに存在を認め合い、一緒に過ごすことで、大切な愛情を手に入れる物語は、「多様性」を受け入れて“パートナーシップで目標を達成しよう”というSDGsにもつながりを感じます。
2021年は「SDGs」という言葉を頻繁に見聞きするようになりましたが、絵本は「4.質の高い教育をみんなに」という目標を達成するために、とても大切な手段だと考えています。

***
今回は、トラが出てくる絵本を厳選して4冊ご紹介しました。他にも『トラのじゅうたんになりたかったトラ』(岩波書店)や『とらたとおおゆき』(福音館書店)など、トラが登場する作品は数多くあります。また、トラが出てくる民話は中国や韓国・朝鮮にもたくさんあります。

2022年も、子どもだけでなく、大人の皆さんにも1冊でも多く素敵な絵本に出会っていただけることを願っています。

「連載コラム・今月の絵本通信」
文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
HBCラジオ 『アフタービート』では絵本セラピスト協会が認定する「大人に絵本ひろめ隊」の隊員でもあるHBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)が、毎月最終木曜日の放送で絵本の情報をお届けしています。ぜひラジオもお聴きください。
Instagramも更新中! @hbc_sekihachisayaka

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Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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