2021.12.21

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【札幌市中央区・新店オープン】農家が手がけるハスカップの濃厚スイーツ!厚真町の魅力ぎっしりカフェ

札幌で12月21日に新しくオープンしたカフェ。濃厚チーズテリーヌにも、お粥にも、「ハスカップ」を使っているんです。プロデュースしたのは、胆振の厚真町のハスカップ農家。カフェに込めたまちへの想いとは?

ハスカップで味わう濃厚チーズテリーヌ

カフェがオープンするのは、札幌市中央区の丸井今井札幌本店大通館7階です。

あつま ゆのみ茶屋」。厚真町の魅力を発信する和やかなカフェで、「ゆのみ」は地域で使われる「ハスカップ」の愛称です。

ハスカップのさわやかな甘さを活かすメニューが目白押し!

道産の生クリームとチーズにこだわった「チーズテリーヌ」は、なめらかな舌ざわりとバニラの香りが楽しめる、濃厚な味わいです。さらにハスカップのソースをかけると、チーズのコクとハスカップの甘酸っぱさが抜群の相性で引き立て合い、さわやかな味わいも楽しめます。

おすすめは、このチーズテリーヌが乗った「プレミアムスイーツプレート」。まろやかなミルク感のソフトクリームと、温かいぜんざいも楽しめる、ぜいたくなセットです。

プレミアムスイーツプレート(ドリンク付きで1980円)

チーズテリーヌ、ソフトクリーム、ぜんざいはそれぞれ単品でも注文できますが、このプレートがおすすめの理由は、冷凍したハスカップの果実そのものがついているから。

このカフェで提供されるハスカップは、特別な品種なんです。

糖度12度以上!「そのまま」でおいしいハスカップ

カフェをプロデュースした山口善紀(やまぐち・よしのり)さんの本業は、ハスカップ農家です。厚真町で「ハスカップファーム山口農園」を営んでいます。

山口さんは、「ハスカップは『苦い・酸っぱい』というイメージを持たれてきたが、うちのハスカップは糖度12度以上。そのまま食べてもおいしい」と話します。

その特別な品種が、山口農園が生み出した「あつまみらい」と「ゆうしげ」です。

その歴史は、山口さんの子ども時代から始まっていました。すっぱいものが苦手だった山口さんの母親が、当時小学生の山口さんに味見を繰り返させ、山口さんが苦いと感じたハスカップの苗木を抜いていったといいます。そうして約20年かけて作り上げたのが、苦みと酸っぱさが邪魔しない、そのまま食べてもおいしいハスカップ

後を継いだ山口さんは、「厚真町をハスカップ日本一のまちにしたい」と考えます。当時町内のハスカップ農家は60軒ほどでしたが、山口さんは「あつまみらい」と「ゆうしげ」の品種登録に取り組み、苗木を地域の農家に惜しげなく広めていきました。ハスカップ農家は100軒を超え、2013年、厚真町はハスカップの作付面積が「日本一」のまちになりました。

ハスカップだけでなく、まちの魅力を広めたい

ハスカップ日本一の夢を叶えた山口さん。その矢先に起こったのが、2018年9月の胆振東部地震でした。

土砂に埋もれたハスカップの前に立ち尽くす山口さん(2018年)

山口農園でも、愛情を込めて育ててきたハスカップの果樹500本が土砂に埋まりました。

「被災地」としてではなく、「ハスカップ日本一のまち」として、厚真町の魅力を知ってほしい…。山口さんはハスカップのソフトクリームやスムージーを開発し、厚真町内にハスカップカフェを開いたり、全国の物産展に出店したりと、「発信」に力を入れてきました。

物産展での大好評が続き、実現した札幌での常設カフェ。協力してくれるパティシエにも出会い、厚真町での活動と並行して続けられる目途が立ちました。

店内には、厚真町の震災前の美しい桜と、震災後の土砂崩れの写真が、並んで飾られています。

写真を見ると、震災当時を思い出してしまうという山口さん。それでも写真を並べる理由は、次の夢があるからです。

「震災前の美しい風景はもう戻らない。だけど、ここから厚真町がどんな素敵なまちになっていくかというのを、みんなに見てほしいし応援してほしいと思っているんですよね。厚真町の魅力をもっと広めていって、未来の厚真町の写真は笑顔であふれるようにしたい」

カフェで発信する厚真町の魅力は、ハスカップだけではありません。串だんごは、厚真町のもうひとつの名産・「」の魅力を伝えるためのスイーツです。

串だんご(550円)

「厚真町のブランド『さくら米』を玄米で仕入れて、精米から自社でやっています。お米の本来の味の良さを伝えるために、お米と水だけで作っているんですよ」

注文を受けてから焼き上げる団子は、もっちもち!米の本来の甘さが際立つ、自然な味わいです。こしあん、みたらし、かぼちゃあん、ごまの中から2本選ぶセットは、漬物付きで550円です。

厚真町の米のおいしさも、ハスカップで引き立てる

「お粥さんセット」は、厚真町の米とハスカップが共演したメニュー。ハスカップの塩漬けや佃煮が添えられています。

お粥さんセット(935円〜)は白粥、鶏だし、薬膳の3種類。写真は白粥

地域では昔から、梅干しのような感覚で、ハスカップを塩漬けしておにぎりに入れて食べていました。スイーツだけでなく、昔ながらの食べ方も知ってほしいと、山口さんは米に合う「蝦夷煮(昆布と鮭節とハスカップで作った佃煮)」や「ハスカップと昆布の酢」を開発。

酢は白粥に添えられる

昆布の香りが引き立つダシの奥に、ハスカップの甘酸っぱさを感じます。スイーツでは「甘くておいしい」のに、昆布と合わせるとお米が進む「甘酸っぱい・甘じょっぱい」味に変わる…ハスカップの万能さを思い知る商品です。

さらに、店頭に「アンテナショップ」としてのスペースも設け、ジンギスカンや原木しいたけなど、厚真町の特産品を並べる予定です。

「窓の外を見て、こんな札幌の中心地でって、びっくりしましたよ。『ハスカップ日本一のまち』になった今、『厚真町にはほかにもこんなにおいしいものがあって、優しい人たちがいて、すごくいいまちなんだ』ということを広めるのが、次の夢」

3年前、厚真町で土砂の前に立ち尽くしながらも、ハスカップでのまちおこしを諦めなかった山口さん。今度は、カフェの窓から一望できる「さっぽろテレビ塔」を前に、次の大きな夢に挑みます。

「あつま ゆのみ茶屋」を紹介したSitakkeTVの動画はこちらの記事で!↓
【札幌にOPEN!】もっちもちの串団子♡厚真町のハスカップ農家が手がける新カフェ(https://sitakke.jp/post/2171/)

***
あつま ゆのみ茶屋
・丸井今井札幌本店(札幌市中央区南1条西2丁目)大通館7階
・午前10時30分~午後7時30分(ラストオーダー午後6時30分)
***

掲載の内容は取材時点(2021年12月20日)の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、最新の情報は各店舗・各施設にお問い合わせください。

文:Sitakke編集部IKU

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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