お正月くらい、美味しいものを食べながらゆっくりしたい!!ということで、今回はご飯のお供にも、お酒のアテにもぴったり!北海道ならではのお正月料理を3つご紹介します。
飯寿司(いずし) は、ニシンやホッケなどの魚と、ニンジンや大根などの野菜を米麹に漬けて発酵させたお寿司です。北海道特有の寒い気温のおかげで腐らず、冬の間の保存食として作られてきた伝統料理です。初雪が降るころに漁師の家で作られていたものが発祥とされていて、地域によって作り方が微妙に違うのも特徴の一つです。
飯寿司は、かためで冷えたお米と新鮮な魚、野菜や麹を使って漬け込み、発酵させることで作られます。
ホッケやサケ、ハタハタやニシン、サンマなど北海道で獲れる様々な魚が用いられますが、特にホッケは価格も安く、一年を通してほぼ安定的に獲れるためによく使われています。低温で漬ける期間が短いので、においも強くなくお酒のアテにもピッタリ…!昔はどこのお家でも作られていましたが、手間と時間がかかるためにスーパーで購入する人が増え、今ではお家で作るほうが珍しいんだとか。
【材料(一樽分)】
・ハタハタ(小) 0.6㎏
・大根 0.25㎏
・人参 25g
・しょうが 10g
・麹 5g
・ごはん 20g
・塩 10g
・砂糖 少々
・酒 20CC
・酢 120CC
・笹の葉 適量
【作り方】
①ハタハタは頭をとり、水を何度も取り替えてきれいに洗う。5~6倍に薄めた酢で1日漬け、ざるにあげて水気をとる。
②大根、人参、しょうがを千切りにする。
③樽をきれいに洗い、酒を内側に振っておく。
④樽の内側に笹の葉を敷き詰めて、大根、人参を入れ、塩、砂糖を振り入れ、ハタハタを並べ入れ、しょうが、麹、ごはんを入れる。隙間がないように繰り返す。
⑤4に重石をし、冷暗所で寝かし、漬かったころに水を切る。※この量の倍で、40日くらい漬けておく。
昆布巻きとは、サケやニシンなどを昆布で巻いたもの。特に繊維質が少なく柔らかい昆布がとれる日高地方で発展してきました。
北海道は、全国の生産量の90%を占める代表的な生産地。その歴史はとても古く、797年(!)に記された書物の中でもすでに昆布のことが書かれています。
そんな昆布と、その当時沢山獲られていたニシンやサケを合わせて巻いた、北海道の伝統料理です。
昆布は「よろこぶ」の語呂合わせや「養老昆布(よろこぶ)」「子生(こぶ)」と当て字をすることで不老長寿や子孫繁栄の意味が込められ、お正月やハレの日の料理に使われます。
(「よろこんぶ」って普通にギャグだと思ってたけど、ちゃんと意味があったんですね…笑)
また、北海道で獲れるニシンも、北海道の厳しい冬の保存食として重宝されていたため、
語呂合わせで「二親(ニシン)」とも書き、子宝成就や子孫繁栄の願いを込める縁起のいい食べ物とされていることが、おせち料理にニシンの昆布巻きが入っていることが多い理由なんだとか。
昆布巻きは、水で戻した昆布とかんぴょうで魚を巻いて縛り、砂糖と塩、お酒で煮込んで作ります。
サケやニシンが使われることが多いですが、地域によってはシシャモやチカの素焼きなど様々な魚が使われます。
おせち料理の具材として、北海道だけでなく全国で食べられている昆布巻き。スーパーなどでも買うことができますが、意外と簡単なので自分で作ってみるのもいいかもしれませんね♩
【材料(4人分)】
・身欠きニシン 3本
・煮昆布 50g
・みりん 1/4カップ
・砂糖 1・1/2カップ
・醤油 1/2~2/3カップ
・酢 大さじ1/2
・塩 小さじ1/6
・米のとぎ汁 適量
【作り方】
①昆布はフキンで拭いて15㎝くらいに切り、身欠きニシンは米のとぎ汁に一晩つけてからきれいに洗い、昆布の幅に合わせて切る。
②昆布の上にニシンを置き、くるりと巻き、洗ったかんぴょうで結んでおく。
③鍋に昆布巻きを平らに並べ、水をたっぷり注ぎ、数時間煮た後、砂糖、みりん、醤油、酢を入れて味が染みるまで煮込む。
松前漬けとは、乾燥させたスルメイカと昆布を細切りにし、醬油や酒、みりんや砂糖などで漬け込んだ保存食で北海道の郷土料理のこと。名前の通り道南の松前町周辺が発祥で、料理のお母さんたちが冬の料理として作り、発展したとされています。かつては大量にとれたニシンの卵である数の子を使い、スルメイカと昆布を合わせて作られていましたが、数の子の値段が上がったこと、また、松前町でスルメイカ漁が本格的に行われるようになったことから、現在はスルメイカと昆布が多く使われています。
松前漬けはお正月のみならず、冬の保存食として親しまれてきました。お酒のアテにももちろんピッタリ!なんですが、筆者は個人的にアツアツのご飯とちょっとしょっぱめの松前漬けの組み合わせがと~っても好きです。あのネバネバ感がたまらないんですよねぇ。…食べたくなってきたな…
松前漬けは、細切りにしたスルメイカや昆布、ニンジンをお酒と醤油と混ぜて漬け込んで作ります。ニンジンのほかにも、大根やカブ、トウガラシやゆずの皮などを加える作り方もあるんだとか。味付けは醤油ベースのほかにも、塩味や山菜が入ったものなど様々な工夫がされているので、それぞれで味の違いも楽しめますね。
正月料理はもちろん、北海道土産としても喜ばれる松前漬け。
今でも松前町には多くのお店があり、多くの場所で見かけることも多いのではないでしょうか?
最近では家で作りやすいように「松前漬けキット」なるものも販売されているんだそう。
自分の好みに合わせて作るのも楽しそうです♩
【材料(4人分)】
・スルメイカ 1枚
・昆布 60㎝
・数の子 2~3本
・柚子 少々
・醤油 1カップ
・みりん 大さじ3~5
・酒 大さじ3~5
・塩 少々
【作り方】
①スルメイカ、昆布は千切り、数の子は塩出しをして薄皮をむいて細かくほぐす。
②容器に醤油、みりん、酒、塩を少々入れて、1を1週間くらい漬け込む。
③器に松前漬けを盛り、柚子のみじん切りをそえる。
④好みにより大根またはかぶの千切りを加えても良い。
今回は、北海道ならではの郷土料理・お正月料理を3つピックアップしてみました。
皆さん、それぞれの料理の意味、知ってましたか?
どれもお酒と一緒にゆっくり…贅沢な時間のお供にピッタリなのではないでしょうか。
それでは皆さん、今年も素敵な一年になりますように♡
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文:学生ライター・あい
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html)
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