2021.12.13

暮らす

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【北大発】「暖房にかかるお金、もっと安くならないかな…」北海道で暮らすわたしたちの“未来”を支える技術革新がアツい!

「暖房にかかるお金、もっと安くならないかな……」北海道で生活していると、そう思う人も少なからずいるのではないでしょうか。
ガスや電気などから熱をつくる過程にそれなりのコストがかかるから仕方ない?
では、わざわざ熱をつくるのではなく、例えば火力発電所で出た排熱を、家庭に供給してもらえたら?
もともとは無駄になっていた熱を再利用するのであれば、安く分けてもらえそうです。

でも、そんなことができるの? できるんです。

今回は、北海道大学大学院工学研究院の能村貴宏准教授が研究する、世界最先端の蓄熱技術と、それを活用した未来社会の構想をご紹介します。目指しているのは、自然エネルギー中心のエコな社会。SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも直結し、社会の常識をも変え得る、大きな可能性を秘めた研究です!

地球に優しいエネルギー循環を実現

地域への熱供給事業は、実は以前から行われており、特に札幌駅周辺のエリアでは全国的にも広大な熱供給を展開されています。そのエリアにはバイオマスや天然ガスを燃料に発電するエネルギーセンターが複数あり、そこで発電時に出る熱を利用して高温水を供給。地下歩行空間やオフィス、集合住宅の暖房などに活用されています。省エネになるとともに、化石燃料を使わないので二酸化炭素が排出されないエコなシステムで、さらなる普及が期待されています。

こうした「熱の輸送」の可能性をさらに広げるのが、能村准教授が開発した粒状の蓄熱材です。
粒の一つ一つが1mm程度のカプセルになっており、中身の素材を変えることで目的に合わせた温度で熱を貯蔵できます。

例えば、発電所の排熱を蓄えて、家庭など別の場所に運び、好きなタイミングで放熱することができるのです。放熱後に再度蓄熱することも可能で、繰り返し利用できます。夏に蓄熱し冬にロードヒーティングに活用するといった使い方も考えられます。

粉末を固め、用途に合った形に加工することも可能
能村貴宏准教授(右)と能村研究室に所属する大学院工学研究院 修士1年の清水友斗さん

さまざまな用途が考えられる中でも社会への大きな貢献を期待されるのが、太陽光や風力などの自然エネルギーを熱エネルギーに変換して貯蔵することです。自然エネルギーは、なくなる心配がなく、CO2を排出しないエコなエネルギーとして、世界中で使用割合を増やそうとしていますが、発電量が不安定でなかなか思うようにコントロールできないという一面があります。
そこで今回開発された新しい蓄熱材の出番です。自然エネルギーで600℃程度の熱をつくり、蓄熱材に貯蔵しておくことができます。600℃というのは火力発電を稼働させるのに十分な高温であり、これがあれば石炭などの化石燃料が不要になります。
このように電力を一旦熱に変換して蓄熱システムで貯蔵するシステムを「カルノーバッテリー」といいます。
能村准教授は「いつか北海道大学構内すべての電力を自然エネルギーとカルノーバッテリーで賄えるようにしたい。十分な量が発電できるようになったら、近郊地域にも供給したい」と話します。

2050年までに実現を目指す、大胆で挑戦的な社会像を国に提案

さらに2050年までの実現を目指しているのが、「エネルギーから自由になるHO・DO・HO・DOの自律分散型ネットワーク社会」です。
能村准教授がリーダーとなってプロジェクトチーム「Moon Village ~ HO・DO・HO・DO」を結成し、他大学や企業・団体を含んだ20名ほどのメンバーでビジョンを策定。内閣府が主導し挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する「ムーンショット型研究開発事業」に提案しました。

サブリーダーの石井一英教授は、下記で紹介する「ロバスト拠点」の代表を務めています。

「エネルギーから自由になる」というのは、生活に必要なエネルギーをすべて自然エネルギーで賄い、地球環境に及ぼさないことを意味します。
現状、消費エネルギー量を自然エネルギーだけで賄うのは困難です。
そこでチームが思い描くのが、あらゆる分野で技術革新を起こし、飛躍的な省エネを実現するとともに、エネルギーがロスなく循環し分かち合う技術が確立すること、そしてHO・DO・HO・DO(ほどほど)の感覚をもった人々同士でエネルギーを分かち合える社会を形成することです。
”ほどほど”は「度が過ぎず、無理をし過ぎず、平等・人並みであって心地よい」という、伝統的な日本の暮らしに紐づく感覚であり、それが幸福につながっていくとチームでは考えています。つまり、我慢をするのではなく、それぞれが必要な分だけエネルギーを使用し、余った分は互いに分かち合うことで幸福を感じられる、そんな温かい社会を思い描いています。

実現したい2050年の社会像「2050年までにエネルギーから自由になるHO・DO・HO・DOの自律分散ネットワーク社会を実現」

その未来社会を形にしたマンガがありますので、こちらからご覧ください。

社会に優しいシステムの普及には住民の理解も大事

「現在、熱は数多くのところで生まれて、ほとんどがそのまま捨てられています。だからこそ、それを有効活用できる技術やシステムには、多大な可能性があると思っています」と能村准教授。
一方で、地域への熱供給事業をはじめ、新しいシステムの導入にはコストがかかるので、普及には人々の理解が必要とのこと。これまで紹介してきた研究や事業は、北海道で暮らす私たちの豊かな未来に繋がる取り組みです。ぜひ、今後の動向に注目して、応援していきませんか?

環境の変化に負けない社会の実現を目指す、北海道大学の「これから」

今回ご紹介した研究事業のほか、北海道大学では、「食」を重要な研究ミッションに掲げています。特に力を入れているのが、環境や気候の変化、資源の枯渇などの変化が生じても、食料生産と分配を継続できる社会を築くことです。
そのミッションの実現の中心となっているのは、2018年に立ち上げられた「ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点」。

農林水産業に生産力・収益力の向上を図る生産工学の概念を取り入れることで、食のバリューチェーンの強化を目指し、能村准教授やプロジェクトチーム「Moon Village ~ HO・DO・HO・DO」も所属しています。
農業・林業・酪農業・水産業など、北海道で暮らす私たちの未来を支える、産業の問題解決や技術革新につながる研究プロジェクトが多く進められている北海道大学。ぜひ、今後の活躍にも注目してみてくださいね。

HBCテレビ「SDGsシーズ~未来を拓く研究」見逃し配信

HBCテレビで放送中の「SDGsシーズ~未来を拓く研究」では、能村准教授の放送も視聴できます。ぜひご覧ください。

※掲載内容は取材時点(2021年11月4日)の情報に基づきます。

Sponsored by 北海道大学ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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