2021.11.25
育む2023年開業を目指す、「北海道ボールパークFビレッジ」。北海道日本ハムファイターズの新球場を含めたエリアですが、ただ野球を見る場所ではないんです。ことし8月、運営会社が「子どもがあそび、学べるエリアやプログラムを展開」すると発表しました。
そのあそび場を担う「ボーネルンド」が、ボールパーク開業に先立って、Sitakkeで親子のきずなを育む「あそび」のヒントを連載します!書き手は、「プレイリーダー」という、“あそびのプロ”。
今回は「プレイリーダー」の中でも、その「リーダー」を務める早川健太(はやかわ・けんた)さんに、「あそび」を通して北海道民に届けたいものを聞きました。
「あそび」は、子どもの健やかな成長のためになくてはならないもの、と考えているボーネルンド。あそび道具の提供や環境づくりなど、「あそび」について総合的に取り組んでいる会社です。北海道にも、札幌や函館、帯広、江別にお店があります 。さらに、「えにわファミリーガーデンりりあ(恵庭市)」や、「道立オホーツク公園内ころころひろば(網走市)」はボーネルンドがプロデュースしたあそび場です。
なぜ「あそび」が必要なのか?早川さんは、「教育で学ぶことも大切ですが、『やらなきゃいけないこと』より『自分からやること』のほうが身につくんです。前向きに『わくわく』することが重要」と話します。
たとえば、「木に登りなさい!」と指示されたときよりも、自分から「登りたい!」と思って登ったときのほうが、楽しみながら試行錯誤するため、単に木の登り方だけではなく、「自分で考える力」や「決断力」がつき、「達成感」や「成功体験」が得られます。さらにまわりの大人に「すごいね」とほめられることで、「自己肯定感」が育まれます。
子どもは生活のすべてを「あそび」に変える力を持っているといいます。食べるときも、寝るときも、お風呂に入るときも…「こうやってあそびたい!」と決断したり、ときには失敗したりしながら、またあそぶ…。早川さんは、そうして「小さな失敗や成功体験を積み重ねることで、楽しみながら生きていく知恵や知識を身につけられる」と話します。
でも…オンライン技術の発達や、コロナ禍での制限によって、「あそび」を取り巻く環境は変わってきました。早川さんは、「動画は一方通行なので、それだけでは『風が冷たくて秋を感じる』など、実体験のある本当の感性が磨かれないんです。『さんまの減少』が進んでいると言われています」と指摘します。
「さんま」とは、「三間」… 「時間」「空間」「仲間」 のこと。
ボーネルンドが2017年に、3 歳~12 歳の子どもを持つ全国の母親・父親 1,600 人を対象に行った調査によると、親が子どもだった頃と比べて、今の子どもは公園で遊ぶ「頻度」と「時間」が大幅に減っています。
「空間」についても、今の公園は「規制・禁止事項が増えた」、「遊具が減った」と答えた親はおよそ7割にのぼりました。さらにおよそ半数が、子どもを公園で遊ばせるのは「治安面」「安全面」の理由から不安と答えました。
「仲間」については、子ども同士であそぶ割合が減り、親とあそぶことが増えているのがわかります。
コロナ禍でますます深刻化した、「さんま(三間)の減少」。そんな「あそび」の危機の中で、「北海道の子どもたちに実体験のある『あそび』を届けたい!」と計画されているのが、北海道ボールパークFビレッジへの参画です。
家や公園であそぶのと、ボーネルンドがつくるあそび場であそぶ違い…。もちろん広さや遊具もこだわりますが、要になるのは「人のかかわり」です。
あそび場に常駐する「プレイリーダー」は、子どもが本能のままに楽しめて、なおかつ成長につながるあそびを生み出す“あそびのプロ”。早川さんは、「子どもだけではなく、親も一緒に子どもの成長を実感できるようサポートしたい」と話します。
「プレイリーダーは、教育するわけでも、世話をするわけでもなく、あそびを手段に親子の関係をつないだり、子どもにいろいろなことを感じてもらう遊びを提供するひと。子どもと同じ目線で楽しめればと思っているので、仕事中、あそんでいる子どもに『ふだんはなんの仕事してるの?』と聞かれるのが最高の褒め言葉ですね」
2023年の開業に向け、今はあそび場の具体的な中身を練っている最中。「雪やソリなど、北海道ならではのものを使った新しいあそびも考えたい」といいます。
「わくわく」した様子で新しいあそび場への想いを語ってくれた早川さん。次回からはいろいろなプレイリーダーが、一足先にSitakkeを通して「あそび」のヒントを届けます。子どもとの時間をどう過ごすか、参考にしてみてくださいね。