2026.03.22

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忘れない、より大切なこと「死ぬならあの家で…」希望が一変したあの日を伝え続ける

これは、今も続く「現在進行形」のこと

福島で語り部を続ける宍戸さんの友人は、劇を見て「すべてのことをこれから子どもたちに全部背負わせるんですよ」と話し始めました。

「だけど、今の子どもたちはそのことを知らないんです。私も毎日もう語り部をやめようと思いながらやっているんですよ。バッシングも受けますし。だけど、今日の宍戸隆子さんの劇を見たらやっぱり続けないと…その勇気をくれました」

震災から15年。
上演後の舞台あいさつで、宍戸さんは「3.11からもう15年が経って、正直過去のことになってしまっている人がたくさんいます」と語りかけました。

「あのあと生まれた子どもたちは、本当に震災のこと、原発事故のことを知らない。だから今回は3.11を忘れないではなく、3.11を知ってほしいという思いで脚本を書きました。皆さんの心に何か痛みでも、悲しみでも、同情でも、小さなかけらとして1つ残ったらうれしい」

福島で何があったのかを正しく知ってもらうために。原発事故の悲劇を繰り返さないよう、北海道で伝え続けていきます。

国と東京電力は2051年までの廃炉完了を目指しています。
現在進行形の出来事です。

HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオではコメンテーターの寺井裕美子さんが「私は当時東京で帰宅困難になりました」と話します。

「15年と聞くと長く感じるが当時のことは鮮明に覚えています。そのときの日本を知らない人たちが増えていく中で、日々の備えも必要かなと思います。語る、つなぐことが防災にもなるのではないでしょうか」

宍戸さんは「震災を体験した人が語れる時代はいずれ終わりが来る。だからこそ、同じことを繰り返さないため、福島で何があったのかを真実が上塗りされないよう正しく後世に伝える必要がある」と私に何度も話してくれました。

コメンテーターの野宮範子さんは「見通せない廃炉、核のゴミのこと、ふるさとを離れざるを得ない福島の人たちにとっては何年経っても現在進行形のこと。電気を使う人みんなにとって福島の事故は自分のことだと思います」と話します。

「福島第一原発が載っている地図と、泊原発が載っている地図を比べてみて、30キロ圏内にどんな町があるんだろうと。50キロ圏内には札幌もあります。福島の事故の後、安全対策が強化されて泊原発の再稼働に向かっていますが、福島の15年、そしてこれから自分のこととしていかなければと強く思います」

原発事故は『安全神話を過信しすぎた人災』だと、国会の事故調査委員会は断定しています。
この教訓は必ず未来に活かしていかなければいけません。

連載「じぶんごとニュース

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年3月11日)の情報に基づきます。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

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