2026.03.21

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「え!なんでここに」偶然の出会いを楽しんで オーナー独自の感性が光る函館のセレクトショップ

田舎のセレクトショップの面白さ

若山潤平さん。「僕の場合、AIでつくられたものって感心はするけど感動はないんです。どこかにアイデンティティを挟まないと面白みがない。この先AI的なものが進化すればするほど、アナログ的なものの価値はもっと上がると思います」。

「正直な話、ひんぱんに売れるもんじゃないです。でも、なんていうんだろう。こうやってカセットテープを常に店に並べてある状態にしておきたいんですよね。いまここに並べてある中でも、東京の専門店じゃ一瞬で完売しちゃうカセットテープもあるんですよ。

で、そういうのをたまたま見つけた音楽好きのお客さんが『え!なんでここにあんの!?』って驚いたり喜んでくれたりする。それもまた田舎のセレクトショップの強みというか面白さだと思います」

LOFTで扱うカセットテープは基本的にインディーズで活動するアーティストやDJの新譜が多く、若山さんの好みや琴線にふれた作品だけを扱う。ここに関して「売れる・売れない」は若山さんにとって別の話なのだ。

しかし若山さん自身は、とりわけアナログ的な嗜好に傾倒しているわけではない。どんな商品でも、しっかりとクオリティの高い品を提供しなきゃならないという商業的立場で考えれば、ミスがなく、より完璧に近くて、作り手の思い通りの形になったものが理想と考える。

その一方で、対象が音楽やアートなどの「表現物」におよぶ場合、無駄があったり、ヒューマンエラーが起きていたり、作り手のクセがモロに出ているような見た目や肌触りのものに強烈に惹かれる。

「結局『なんで、わざわざそんなめんどうなことを...』と思えるようなものが好きなんです(笑)。無駄なこと、まわり道をしてつくったものにロマンを感じるんですよね」。

LOFTが原案・企画、そして函館で建物の設計や内装工事などを手掛けるBRANT&SONS・谷藤崇司さんが木工制作を請け負ったオリジナルのカセットテープラック。回転台の上に棚があり、天板にカセットが1本設置することで、それがつまみがわりとなり棚を回せる仕掛け。価格は22,000円と安くはないが、これまで20台ほど売れているそう。

【LOFT HAKODATE】
北海道函館市末広町4-11
0138-23-1799

***
Peeps hakodate vol,145 「いとしきアナログ。Stories about analog things.」より

peeps hakodate

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