2026.03.19

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函館空港で現役の「いとしきパタパタ」。動きと音で感じる存在のアナログな価値

「できるだけ長く響かせたい」

北海道エアポート函館空港事業所のターミナル施設管理担当・松宮直也さん。

出発ロビーと到着ロビーの2箇所にある案内表示機は、イタリアのSolari社製であることから、空港スタッフの方々は「ソラリー」という愛称で呼ぶ。20年間休むことなく乗客を見送り、出迎えてきたソラリーだが、メーカーの生産終了に伴い部品の交換ができず、故障時の対応が難しい状況だという。

北海道エアポート函館空港事業所でターミナル施設の管理を担当する松宮直也さんは、「貴重なものなので残してほしいというお客様の声もありますし、私自身も思い入れがあるので、今ある部品を大切に扱い、メンテナンスを続けています。

旅の気持ちを盛り上げ、懐かしさも感じさせてくれるパタパタという音を、できるだけ長く函館空港に響かせたいと思っています」と語ってくれた。

自由に文字を映せるモニターとは違い、あらかじめ必要な文字盤を用意しておく必要があるため、滅多に見られない「貸切便」の表示も。回転する文字盤をよく見ると、現在は就航していない沖縄や釧路などの文字も見られる。

画面に映っては消えるデジタルの情報とは違い、パタパタと回転するソラリーには、視界に入っていなくても動きや音で感じられる物としての気配がある。だからこそ、多くの人に愛されるのではないだろうか。それが失われてしまえば、空港内に響く音だけでなく、ソラリーの姿をカメラに収めようとする人たちの風景も消えてしまうことになるだろう。

アナログなものには、現役で会えるうちに会っておいたほうがいい。

Youtubeにて、反転フラップ式案内表示機の愛おしいパタパタ音をお楽しみいただけます。

***
Peeps hakodate vol,145 「いとしきアナログ。Stories about analog things.」より

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