2026.03.13

深める

「入口は、どんなところにもある」アイヌ文化から見える、私たちの暮らしを見直すヒントとは

「じぶんごと」としてのネイチャーポジティブ

北海道の自然(イメージ):pixta

北海道立総合研究機構林業試験場の速水将人です。

今回の取材前半記事を通して、「自然」や「環境」に興味がない人にと
っても、さまざまな「きっかけ」の入口があるということを実感しました。

アイヌ文化は、動物・植物などさまざまないきものの「生き方」を深く理解して、自分たちの暮らしに結びつけてきた知恵の積み重ねだと言えます。

身近な自然とどう付き合い、利用しているのかを知ることは、今とこれからの自然との関
わり方を考える手がかりにもなります。

近年は、自然を守るだけでなく、生態系を回復させながらより良い状態へと導いていこう
という「ネイチャーポジティブ」という考え方も注目されています。

一方で、暑さや虫への苦手意識に加え、ヒグマやマダニへの不安も重なり、野外で自然に
触れる機会そのものが減りつつあります。

「自然」「環境保護」といった言葉を聞くと、どうしても「難しそう…」といった印象を
持ってしまう人も多いのではないでしょうか。
でも、アイヌ文化を知ることがきっかけで、北海道の自分の身近な自然について気がつく
ことがどんどん増えていったら、多くの人がもっと楽しく感じるきっかけになるのではな
いでしょうか。

「自然を守る」という言葉を、日々の自分の生活の感覚へ引き戻していく。
その積み重ねが、次の世代に渡せる手応えになります。

北海道の樹木「ツルウメモドキ」や「シナノキ」からつくられた「タㇻ」と呼ばれる紐。

では、アイヌ文化や自然に今まであまり関心がなかったという人に向けて、お2人は「まずは自分が興味を持てるものを探してみてほしい」と話します。

例えば、博物館に足を運んでみて、綿々と続くアイヌの文化に触れることもひとつ。
「ゴールデンカムイ」のような作品をきっかけに関心を持つことも、ひとつの入口かもしれません。

地名の由来に惹かれる人もいれば、保存食の作り方や衣服の素材に興味を持つ人もいます。
どこから見始めても、そこにあるのは自然とともに暮らしている「生活」です。

小さな気づきが重なると、自然は遠いテーマではなく、手触りのある出来事になります。

気になった一点を入口にすると、次に調べたいことが自然に増えていきます。
アイヌ文化の視点をひとつ添えるだけで、いつもの北海道の景色が少し違って見え始める「きっかけ」になるかもしれません。

※この取材は、Sitakkeが主催するワークショップの一環で行っています。

***

※1 出典:山田秀三(1984)北海道の地名、北海道新聞社

取材・文:ワークショップ参加の鈴木千波さん・片山史麻さん・速水将人さん
編集:Sitakke編集部YASU子

※掲載の内容は、取材時(2026年1月)に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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