2026.03.13
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北海道の地名にはアイヌ語を由来とするものが数多く残っています。
城坂さんによると、ふだん何気なく使っている地名には、川や地形のようす、周辺に多い植物など、その土地の情報が詰まっているといいます。
例えば美幌町には、イリリㇷ゚(エゾイラクサ)やキキンニ(エゾノウワミズザクラ)(※2)のように植物の名前を持つ川があり、その周辺には今でもその植物がたくさん見られます。
一方で、観光向けの訳が先に広まり、本来の意味がずれて伝わってしまうこともあります。
例えば、知床はアイヌ語の「シリエトコ」から付けられた地名とも言われています(※1)。
その意味は「地の果て」と紹介されることがありますが、本来アイヌ語の「シリ・エトコ」は「突き出た大地」、つまり岬を指す言葉なのだそうです。
海へと突き出た地形は、暮らしの目線で見れば、行き止まりではなく海と接する場です。
一度広く知られてしまった解釈はその後に訂正するのが難しいこともあります。
アイヌ語がもつさまざまな解釈を、自分でも調べながら、身の回りの自然や地域の環境についてあらためて知るきっかけにしてもらえたら、と城坂さんは話していました。
博物館では、こうした地名や言葉に関する資料も展示されています。意味を知ったうえで外に出て歩くと、同じ道でも見えるものが少し変わってくるかもしれません。
アイヌ語を知った上で北海道の地名を確かめることは、自然を見る目を育てることにもつながります。
後編の記事では、共に取材を行ったワークショップメンバー視点も含め、アイヌ文化の奥深い魅力をご紹介します。
※この取材は、Sitakkeが主催するワークショップの一環で行っています。
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※1 出典:山田秀三(1984)北海道の地名、北海道新聞社
※2 出典:知里真志保(1976)知里真志保著作集 別巻Ⅰ 平凡社
取材・文:ワークショップ参加の速水将人さん
編集:Sitakke編集部YASU子
※掲載の内容は、取材時(2026年1月)に基づきます。
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