

「水に漬けた大豆を手作業ですりつぶして呉汁にするんだけど、それができるまでだいたい40〜50分かかるの。若い頃はね、他のそば屋さんでそんなことしてないし『なんでわざわざこんなめんどくさいことしなきゃなんないの』って思ってたこともあったけど、でも絶対にこれをやらないとウチのそばにならない。
ミキサー使えば2〜3分で終わることなんだけど、仕上がりが雲泥の差だから。大変でも手でやらなきゃダメなんです」と笑いながら話するみ子さん。
通常のそば打ちにはないこういった一仕事に加え、「ひきたて・うちたて・ゆでたて」のいわゆる“三たて”を正解とする日本そばにおいて、その対極である「熟成」を前提としたそばを信条とする津軽そばの製法。
あまりに手間がかかり、儲けが薄い。その実像を知れば知るほど、絶滅に瀕した理由がわかる気がする。
また津軽そばは出汁にも特徴があり、使うのはウルメイワシの煮干しのみ。昆布やカツオ節は一切使わず、かけそばは醤油と塩で味を整え、もりそばは醤油と砂糖のみを使う。
使う食材が最小限のため味のごまかしが効かず、かけつゆもつけ汁も繊細でやさしい味の加減にまとまっており、それは手間のかかる仕事でしか生まれようがないのだ。


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