2021.11.19

出かける

「ここでなければ違ってしまう」 2人が守る、音楽の場所 “パブザビーツ”【函館で愛される店】

コロナ禍で、本領であるライブ開催ができない。この未曾有の渦中を、超がつくほどの低空飛行で凌ぐパブザビーツ(以下、ビーツ)。
それでなくとも、2018年、弊誌・音楽特集で取材したとき、すでにチーフ・小坂雅俊さんと吉田静佳さんの2人は、どれだけ儲からずとも「店をやめようと思うことをやめた」と悟りの境地に達していたが、この度は否が応でも覚悟を再認識する日々を過ごす。

店はもともと喫茶店として営業していた建物で、柱や天井などの意匠に趣がある。「当初はシャンデリアも残っていたんですが、それは外してしまったんですよね。もったいないことしちゃったなと思います」(吉田さん)

「一旦店を閉めて、ほとぼりが冷めたらまたどこかで再開すればって言われることもあるんだけど、こうやって好きに“音”を出せる物件って本当にないんですよ。ここを手放したらもう二度と元に戻らない、違っちゃうってわかるから、今回もビーツをなんとか守るためにいろいろやってました。ただ、さすがにこのままじゃ私の給料が出なくなりそうだったから、4ヵ月は別のところに働きに出て。その間はチーフがへとへとになりながら(笑)、一人で店をまわしてましたね」

左が小坂さん、右が吉田さん。2人とも、それぞれにバンドを持っている。なお、店は音楽空間のほか、飲食店としても営業中。日替わりランチ(600円)も好評。ぜひ一度。

最近では、7月に約4ヵ月ぶりにライブの開催が叶い、5月から中止していた定期開催のブルースセッションも復活。「音があって、食事があって、お酒がある。このことが本当に楽しいってしみじみ感じます。こうなってくると、いろいろと新しいことを仕掛けたいって思うけど、でもそうすると人を集めることになっちゃう。このジレンマはまだまだしばらく続くでしょうね」

店は2003年の開店から、18年になる。その18年のうち、今年4ヵ月だけビーツを離れた吉田さんは「正直、ヨソで働くほうが時給も良いし安定もする。でも今、ぐらぐらの危ういビーツに戻ってきたら、やっぱりここが楽しい。すごく楽しい。まだ人は戻ってこないし、もちろんヒマなんだけどね。本当に、早く仕事がしたいって心から思います」(吉田さん)

Restaurant Pub The Beats

住所:函館市亀田本町54-9
電話:0138-40-6969
公式サイト:http://beats.0138.jp/
好評のランチ情報はTwitter@beats_lunchで更新中!

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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