コロナ禍で、本領であるライブ開催ができない。この未曾有の渦中を、超がつくほどの低空飛行で凌ぐパブザビーツ(以下、ビーツ)。
それでなくとも、2018年、弊誌・音楽特集で取材したとき、すでにチーフ・小坂雅俊さんと吉田静佳さんの2人は、どれだけ儲からずとも「店をやめようと思うことをやめた」と悟りの境地に達していたが、この度は否が応でも覚悟を再認識する日々を過ごす。
「一旦店を閉めて、ほとぼりが冷めたらまたどこかで再開すればって言われることもあるんだけど、こうやって好きに“音”を出せる物件って本当にないんですよ。ここを手放したらもう二度と元に戻らない、違っちゃうってわかるから、今回もビーツをなんとか守るためにいろいろやってました。ただ、さすがにこのままじゃ私の給料が出なくなりそうだったから、4ヵ月は別のところに働きに出て。その間はチーフがへとへとになりながら(笑)、一人で店をまわしてましたね」
最近では、7月に約4ヵ月ぶりにライブの開催が叶い、5月から中止していた定期開催のブルースセッションも復活。「音があって、食事があって、お酒がある。このことが本当に楽しいってしみじみ感じます。こうなってくると、いろいろと新しいことを仕掛けたいって思うけど、でもそうすると人を集めることになっちゃう。このジレンマはまだまだしばらく続くでしょうね」
店は2003年の開店から、18年になる。その18年のうち、今年4ヵ月だけビーツを離れた吉田さんは「正直、ヨソで働くほうが時給も良いし安定もする。でも今、ぐらぐらの危ういビーツに戻ってきたら、やっぱりここが楽しい。すごく楽しい。まだ人は戻ってこないし、もちろんヒマなんだけどね。本当に、早く仕事がしたいって心から思います」(吉田さん)
住所:函館市亀田本町54-9
電話:0138-40-6969
公式サイト:http://beats.0138.jp/
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