2026.01.28

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「アンチサウナだったのに」800年続く北海道最古の温泉がサウナブームの最前線になった理由

北海道最古の温泉が、サウナブームの最前線に

そんな知内温泉が、昨年メディアを大いに賑わせた。

2024年初夏、全国でも珍しい「温泉」と「サウナ」を掛け合わせたハイブリッドサウナ棟を新築オープンさせ、それが国内外のサウナ愛好家たちから注目を集めたのだ。北海道最古の温泉が、一躍サウナブームの最前線におどり出ることになったのは、若き湯守・佐藤昌人さんが仕掛けたプロジェクトによるもの。

現在は専務で第18代湯守の佐藤昌人さん。地元の高校を卒業後、函館の調理師学校で料理を学び、湯川のホテルや東京でサービス業や内装業など、さまざまな社会経験を積んだ後に家業である温泉経営に加わった。「10代の頃から家族や親戚から“最終的にはあんたが継ぐんだよ”と言われ続けてきました。一種の洗脳ですね(笑)」。

そのきっかけは、世界中がコロナ禍に突入した5年前までさかのぼる。知内温泉は老朽化がすすみ、
即刻改修をしないと今後の維持が難しくなるという「待ったなし」の状況まできていた。
そこで思い切ったリニューアルに踏み切り、ちょうど同じ頃に17代目湯守の佐藤昌彦が現場の第一線を退き、運営のバトンを息子の昌人さんに託した。

現在44歳の昌人さんは、かねてから施設としての大幅なアップデートと新たなコンテンツをつくることの必要性を強く感じていた。そこで着目したのがサウナだった。「世の中にサウナブームが到来したときは、むしろアンチの側だったんです。温泉の薬理的効能は認めるけど、サウナが心身に与える効能についてはまったく認めていなかった。

昨年6月に完成した知内温泉のハイブリッドサウナ棟『呼吸の間』。

でもサウナ好きの友人知人たちから強い薦めもあって、一度ちゃんと最新のサウナの愉しみ方を実践してみたら『なにこれ、めちゃくちゃいいじゃん!』と(笑)。温泉の息子がサウナ好きとかおかしいだろって思ってたんですけど、考えが180度変わりましたね」

それ以降、昌人さんは全国各地で評判のいいサウナを体感し、2022年から知内温泉敷地内の河岸でテントサウナを始め、大自然のサウナを味わいたいと全国から筋金入りが訪れるようになり、一定の手応えをつかんだ。

後編に続く

800年続く知内温泉が新たなコンテンツとして着目した「サウナ」。後編の記事では、サウナプロジェクトにより「他に類を見ない」、温泉とサウナをかけあせたハイブリットサウナが完成するまでの軌跡をご紹介します。

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Peeps hakodate vol,143 「いい湯だべ。」より

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